【投資家記者の勉強会】〝商いの大阪〟なのに、金融リテラシーが低い?

 大阪は〝商いの街〟と言われるのに、実は「お金に関する知識」はない?

 金融広報中央委員会が全国3万人を対象に行った「金融リテラシー」の調査で、大阪府は前回の25位から35位へと大幅にダウンした。調査は3年おきに、18歳~79歳の個人に、家計管理や金融取引の基本、保険、ローン・クレジット、資産形成などの「金融知識・判断力」と「行動特性・考え方」を質問したものだ。

  「商都」と形容され、「オレオレ詐欺」に騙されにくい大阪。ただ、「還付金詐欺にはそうでもなかったな」と思い出した。

 もう少し大阪人の特性を掘り下げてみると面白いのが、漫画のナニワ金融道で有名だが、「金融トラブルの経験者」の割合は7・1%と、全国平均の7・3%よりも低かった。金融知識・判断の正答率は35位なのに、「金融知識に自信を持っている人」の割合は16位と高いところが大阪らしい。

 大阪人は金融商品を契約するとき、「他商品と比較する」割合が高く、さらに「株式を購入したことがある人」は34・9%(11位)と、全国平均を上回った。

 過去から見た全国平均の正答率は2016年から横ばい。一方、「金融教育は行うべき」と回答した人は72%とニーズの高さが伺え、今年から高校授業で必須となった金融教育とマッチしているともいえる。「緊急時や老後の資金確保、計画がある人」の割合で金融教育を受けた人は、受けてない人の2倍以上となっていた。

 最近ではNISA(少額投資非課税制度)を使って投資できる上限額の引き上げや、投資期間の恒久化といった「NISA拡充案」が浮上している。さらに日本証券業協会は、上限額を具体的に「一般NISAは年240万円、つみたてNISAは年60万円」と要望している。

 自分の金融リテラシーはどうなのか。同委員会のクイズを抜粋してみたので、ぜひチャレンジしてみては。


【クイズ】あなたの金融知識はどのくらい?

(問1)金利が上がっている。資金の運用(預金等)、借入れで適切な対応はどれ?

 ① 運用は固定金利、借入れは固定金利にする

 ② 運用は固定金利、借入れは変動金利にする

 ③ 運用は変動金利、借入れは固定金利にする

 ④ 運用は変動金利、借入れは変動金利にする

(問2)10万円の借入れがあり、借入金利は複利で年率20%です。返済しない場合、何年で残高は倍になるでしょうか?

 ① 2年未満

 ② 2年以上5年未満

 ③ 5年以上10年未満

 ④ 10年以上

※金融広報中央委員会ホームページの「金融リテラシークイズ」一部抜粋

解答
【問1】答え③/金利が上がっていくときには、運用収入(利息)が増加するため、変動金利の方が期待できる。一方、借入れはコスト(利子)の増加を避けるため、固定金利が無難。
【問2】答え②/正確には3・6年で2倍になる。お金が2倍になる年数がわかる便利な算式「72の法則」を覚えておくと便利。投資の年利計算にも役立つ。式は[お金が2倍になる年数=72÷金利]