【投資家記者の勉強会】リスク(損失)とリターン(利益)の付き合い方 「2万円儲かる」or「1万円損する」 確率50%。あなたは投資する?

 金融広報中央委員会のアンケートで、「10万円を投資すると、半々の確率で2万円の値上がり益か、1万円の値下がり損のいずれかが発生します。あなたはこの商品に投資しますか?」という問いに、74・2%の人が「投資しない」と答えたそうです。

 「投資しない」と回答した人の主な理由は、「元本割れのリスクがある金融商品には投資しない」でした。

「2万円儲かる」or「1万円損する」 確率50%

 一方で、これを何十回、何百回と繰り返すとどうでしょうか。実は、次第にプラス5000円の利益に収束されていきます。これは「期待値」の数式で求めることができます。高校数学の「場合の数と確率」の分野で出てくる考え方です=表。

場合の数と確率

 ただし、この期待値は10万円を元本に回数をこなさなければならないことと、勝率が50%というところがポイントです。投資商品の運用に当てはめると、期待収益率+5%となるわけです。一方で、上記のアンケートで株式・投資信託・外貨預金などに投資している人に限ると、「投資しない」と回答した人は4割台に低下するそうです。

 筆者はこうした投資商品をすすめているわけではないのですが、投資を学ぶうちにこうしたリスクとリターンや期待値の計算を考えるようになりました。投資を始める前だったらリスクがあるからやめておこうと、即決したと思います。

 株式投資にリスクのない商品はありません(ただし、現時点では、利上げ真っただ中の米国の短期国債はおもしろいかもしれませんが)。しかし、50代の老後への準備状況をみると、資金計画を策定している人や公的年金の受給金額を認識している人は共に4割台でした。

 いまや銀行に預けていても低金利で利回りが限りなくゼロに等しく、年金も年々目減りする中、これからはマネーリテラシーを学ばざるを得ない時代になっているのではないでしょうか。