本紙編集長であり、もりぐち夢・みらい大使であるラジオDJ、U.K.こと楠雄二朗は、この地域の最大の魅力は〝人〟であると断言する。そこで守口市と門真市にゆかりのある人々を招き、地元での体験や活動の様子、今後の抱負を語ることで、夢をつかむことの素晴らしさや楽しさを伝え、もりかどの魅力を再発見し、未来を切り開いていく勇気を持ってもらおうというコーナーがスタート。
お世話になった経営者の突然の訃報
事務員から一念発起し、社長へ
「人生なんとかなる」
─会社が門真で、住まいが守口。まさに〝もりかど人〟ですね?
武内 もともと高槻市出身で、結婚、就職を機に門真へ移住した。門真はまったく知らない土地で、勝手に怖いイメージを持っていた。知り合いもおらず、不安でいっぱいだったが、高速道路も近く、京阪電車が大阪市内への乗り入れも速く、交通の便がよく、住みやすかった。離婚して母子家庭になり、仕事と子育てで忙しい日々だったが、近所も人も温かく、仕事で忙しいときも面倒みてくれて本当に助けられた。子どもが門真市立沖小学校に入学し、先生らも本当に親身になってくれた。
─社長就任の経緯は?
武内 実家に頼らず、自分の稼ぎで子どもを育てる覚悟を決めた。それまで運送会社の営業事務で働いていたが、給料が安く、子どものために別の仕事を探していたとき、給料が高く、土日が休みだった現在の警備会社の経理事務に応募した。面接をしてくれた女性専務が母子家庭で育ったこともあり、子どもが病気になったときも専務は、融通してくれた。
入社3年目、体調を崩していた専務の家に、会社で必要なお金をとりに来るように言われ、訪れた際に専務から「ありがとうね」と言われた次の日に亡くなった。自殺だった。会社の経営をすべて専務に任せていた社長から「会社を建て直してほしい」と言われ、これまでいろいろ融通をきかせてもらい、お世話になった専務への恩返しもあり、経理に加え、専務の代わりに営業を開始した。売上が2倍になり、役員への誘いもあったが、ほかの社員が「私のことをよく思っていないのでは?」と断り続けていた。そんなときに事務員から「武内さんが社長になるなら、私は泥船にのります」と言われ、一念発起し、社長に就任した。あの言葉がなければ社長にはなっていないと思う。
─守口へ引っ越したのは?
武内 経営者になったことで、商工会議所に参加し現在の夫と出会い、再婚を機に守口へ移住した。守口は母の出身地で、小さいころ守居神社でおじいちゃんから正月のおもちゃや本をプレゼントしてもらった思い出の場所。親戚も多く、これまでいろいろなことがあったが、新たな人生のスタートとして、ほっとできる場所、守口に戻ってこれたのは、すごく幸せ。
─守口のおすすめは?
武内 とてもおいしい居心地のいい店が多い。「はな寿司」やピザ「パッパーレ」、鶏料理「さくらこ」、お酒は飲まないが雰囲気がいい「バーなかそね」に夫とよく行く。
─もりかどでの現在の活動は?
武内 経営者になり、商工会議所の青年部に入ったことで、いろいろ刺激を受けることが多い。自身もお世話になった地元の中小企業を応援したい気持ちが強くなった。今後は若い人が夢を見られる、愛着を持てる町にしていきたい。
─もし市長になったら?
武内 自身が母子家庭で周囲の人に助けてもらったこともあり、だれでも自立できるよう、ばらまきではなく、自分で働いて稼げるように資格取得やスクールなど、自立するための施策を打ち出したい。
─今後の夢・未来は?
武内 いい思い出しかない守口にこれからも住み続けたい。子どもらや地元が盛り上がるイベントを開催していきたい。11月10日の「もりかど未来まつり2024」には、ぜひ参加して楽しんでほしい。
─最後にメッセージを
武内 みんなにはたいへんな人生を歩んできたといわれるが、いつも近くにいる人が助けてくれた。今息苦しさを感じている人も、人生なんとかなるから大丈夫。
企業情報
AI警備保障
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