北島三郎の弟子の演歌歌手「山口ひろみ」が大阪と神戸のライブへ2日続けて出演

 大阪・天下茶屋出身の演歌歌手、山口ひろみが10月度「大阪発流行歌ライブ」と「KOBE流行歌ライブ」に2日続けて出演。小柄な体を一杯に使い、師匠・北島三郎夫人からもらった秋らしいデザインの着物で新曲「恋問海岸」などを熱唱した。

 結婚して今は首都圏在住だが、芸人一家の中で大阪で生まれ育ち、出身校は京都の立命大と根っからの関西人。ステージでも「普段は標準語なんですけど、関ヶ原を越えて西日本に入ると大阪の血が騒ぎます。今日は大阪弁でやらせてもろてえぇですか?」と呼び掛け、ファンの心を一瞬でつかむ。

師匠・北島三郎の夫人から頂いた秋色着物で歌う山口ひろみ

 この日の着物は師匠の奥さんからの留め袖で西崎緑さんの踊りの振り付けの時に手を動かしやすかったが、ミュージックビデオで着用しCDジャケットにもなっている振り袖姿だと自身の手足サイズが小さいためうまく手のひらが返らないことも多くいつも冷や汗。「それでもね、私ようやく147㌢まで背が伸びたんです。先輩方から着物を頂く機会も多いんですけどサイズ的に全部着られますからありがたい。背が高い女性歌手の方が着物合わせは大変だと思います」と発想は常にポジティブに。

振り袖衣装は舞う振り付けでは「勝手が・・・」と話す山口ひろみ

 「恋問海岸」は北海道白糠町に実在。前作「三井の晩鐘」で作詞を担当したヒットメーカー麻こよみと談笑中「こんな場所ありますよ」と山口が紹介したところ、麻が食いついてアッという間に詞が完成。作曲も前作と同じ岡千秋が引き受けた。最初は歌謡曲調の仕上がりで少しアレンジを演歌に寄せレコーディング終了。ファンからは「シリーズなんですね。最初が滋賀で次が北海道、3作目は九州?」と問われるが、本人は全く意識していない。

流行歌ライブ終了後のCD即売でファンと交歓する山口ひろみ

 面白いのはカップリングの「人生こぶし」。無名の藤原道夫作詞・作曲ながら「いかにもひろみちゃんらしい」と周囲から言われる正反対のど演歌。「藤原さんは以前からお知り合いの方。〝いい曲できた〟といわれたので聞いてみたら素直な演歌でA面と対照的で面白い、となって」と笑う。

山口ひろみの新曲「恋問海岸」のCDジャケット

 3年前に一般男性と入籍、昨春にはデビュー以来所属していた「北島音楽事務所」のマネジメント業務撤退で、所属レコード会社のタレント部門テイチク・エンタテインメントに移籍。「結婚当初はつい料理など家事を頑張りすぎたけど、大阪やその他地方での仕事は1週間近く家を空ける事もある。互いの仕事を理解し合って自然体で行く事にしました」と、公私とも充実を感じさせ円満なようだ。

(畑山 博史)