若手噺家グランプリに出場する9人が抱負

 入門満18年以下を対象にテレビやラジオで活躍する若手スター作りを目標とし、関西の放送局現役プロデューサーが審査するのが特徴の「第10回上方落語若手噺家(はなしか)グランプリ」決勝戦(19日夜、大阪・天満天神繁昌亭)の出場者9人による出番順抽選会が行われ、それぞれが抱負を語った。

後列左から笑利、慶治朗、りょうば、呂好。前列左から染八、希遊、三実、笑金。(紋四郎は欠席)

 決まった出番順に①笑福亭呂好(43)=16年目、決勝出場初「やっと決勝に出られたらくじ引きでトップ。後にキチンと引き継げるように」②桂慶治朗(40)=13年目、2回目「昨秋NHK新人落語大賞を頂いているので結果を求めたい」③桂りょうば(52)=9年目、2回目「この歳で若手ですから上方落語会の時空をねじ曲げている存在。ゲーム感覚で行きます」④笑福亭笑利(40)=11年目、3回目「自分との戦い。ベストをつくす」⑤林家染八(31)=12年目、3回目「力が入りすぎないように普通にやります」⑥桂笑金(31)=7年目、初「亡き師匠(桂三金)が聞いたら〝よし!行ってこい〟と言われると思います」⑦桂三実(31)=12年目、3回目「制限時間超過を予選も含めると5回やっている。今年こそは」⑧桂紋四郎(36)=14年目、2回目「(仕事で欠席し電話出演し)何も言うことなし。頑張ります」⑨月亭希遊(36)=7年目、初「トリですか?キツいなぁ。優勝して賞金で植毛したいです」と抱負。

順番に出場順のくじを引く出場者

 2006年~20年入門の協会所属落語家の中から希望者35人が4回の予選に別れて参加。2人ずつが通過し、毎回の3位者から敗者復活した1人を加えた計9人を選出。決勝は9~13分で時間枠を外れると減点。優勝者は昨年から倍増した賞金40万円と、繁昌亭と神戸・新開地喜楽館の昼興行に年間各6週ずつ優先出演できる権利が与えられる。準優勝者は賞金10万円。その他の決勝進出者には各5万円が贈られる。

 このスタイルでの開催は当初から10年と区切られており、今年が最終。協会若手育成委員会の桂枝女太委員長は「来年以降の方式はこれから検討するが、2年続けて入場券が前売り時点ですぐ完売するほどの人気。10分ちょっとずつ若手9人がテンポ良く出入りして腕を競う面白さが評価されたと思う。ネットの有料生配信もあるので、ぜひ多くの方にご覧頂きたい」と熱戦を期待した。

(畑山博史)