通うたびに新しい出会い、季節やその日のフィーリングで変わるケーキメニュー

 毛馬桜之宮公園(大阪市都島区)沿いのビル3階、隠れ家のような場所にある花屋兼チーズケーキ店の「cover302」。打ちっぱなしのコンクリート床など無機質な印象の内装が色とりどりの花や緑を一層引き立てる。大きな窓枠から見える公園の緑もまぶしい。

 同店のチーズケーキはフルーツとエディブルフラワー(食用花)で飾り付けをしており、ケーキ店でよく見かけるチーズケーキよりも見た目が鮮やかな印象だ。店長の小谷さんは、「見た目から、おいしそうだな! と思ってもらえるよう意識しています」と紹介してくれた。

単調な色合いのチーズケーキのイメージとは違い、フルーツケーキのように鮮やか

 固定メニューはなく、季節と店長のその日のフィーリングによってショーケースに並ぶラインナップが日々変わる。通うたびに新しい出会いがあり、何度も足を運びたくなる工夫が施されている。
 新しい「味」に出会えるのも同店のチーズケーキの特徴で、例えば味噌やとうもろこしのように、一見スイーツに使わなさそうな食材を使ったメニューが並ぶ。
 テークアウトだけでなく、店内のイートインスペースで一息つくこともできる。

 祝い事や記念日にぴったりなのが、ホールで注文できるオーダーケーキ。贈る人の希望や好みに合わせた、世界に一つだけのオリジナルの手製チーズケーキは思い出に残ること間違いなし。店内の生花と一緒に贈ることができる。

 店内のあらゆる場所には花や緑が生けられている。並ぶ生花は、一輪でも飾れるものをチョイス。街中の花屋では見かけない珍しい種類や色合いの花も多い。
 「この店は駅から少し離れています。わざわざ足を運んでくれるからこそ、いつもは出会わないようなお花と出会ってほしいですね」と小谷さん。
 通り沿いにあるような花屋だと入るのをためらう人でも、この店なら入りやすい。加えて「男性にももっと気軽に花を買ってもらえたら」とにっこり話していた。

委託販売されている花瓶は、店舗の雰囲気に溶け込むようなデザイン

 SNSを見て遠方から来る人も最近は多い。「でも、場所が目立たないのもあってか、近隣の方でも知らない人はまだまだ多いですね。ご近所さんにフラッと寄ってもらって、『こんにちは〜』って言い合えるような、そんなお店にしていきたいです」と小谷さんは笑顔で見送ってくれた。

 「新しい出会い」を日常にもたらせてくれる同店。気持ちが沈んだ日には、またふらりと寄りたい。


■cover302/大阪市都島区網島町4-12 東文ビル302/電話080(4498)0302
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