「どないして食べんねん!?」が人気の老舗が作る時代先取りのどら焼き

和菓子をこよなく愛するスタッフが来店する客の声を集め、品質の向上に生かす

ようかん発祥の老舗が次の百年へつなぐ和モダン菓子を販売

 大阪にのれんを掲げて180余年になる老舗御菓子処「大阪本家駿河屋」は、〝次の百年も楽しむ〟をコンセプトに新たな和菓子ブランドを南森町にオープンして2周年を迎えた。

 駿河屋が1589(天正17)年に創案したようかんは令和の今、ピスタチオやフランボワーズなど洋の素材をふんだんに取り入れ、小ぶりで食べきりサイズ、現代のライフスタイルに見合う少量多種の品ぞろえ。「和菓子は年配の方の食べ物」という価値観を覆す挑戦を続けている。

  思わず二度見してしまうのが「生粒ようかんどら焼き」だ。どら焼きの上にそびえ立つ、つややかで深いあずき色の柱はあんこでなくようかんを使用。亨保(1716年頃)から続く駿河屋のようかんや、あんこ炊き職人の伝統の技を新しい形で提供する。広報担当の岡本千寿常務取締役は、「〝どないして食べんねん!?〟というお客さまのお声を頂戴します。糖度が低くぺろりと召し上がっていただけますよ」とほほ笑みながら説明してくれた。

(手前)生粒ようかんどら焼き

 ほかにも、大阪上本町で人気のベーカリー「ブーランジュリー パリゴ」とコラボして土日祝限定でようかんパン「PSサンド」を販売している。卵とバターを贅沢に使ったブリオッシュをようかん、スイートポテト、あん抹茶ムースの3種の味で楽しめる。

 「見て楽しい、食べておいしい、安心して大切な人にもおすすめしてもらえる品々です。令和から始まる次の百年にも楽しんでいただけるよう取り組む『駿surugaya』をどうぞご覧ください」と、岡本さんは真っすぐに未来を見つめている。

和洋の味わい豊かな12種類の小型ようかんneriは日持ちもするので遠方の手土産にぴったり
和のクリスマスカラーを抹茶ピスタチオと練ようかんで演出
薄墨色の壁と色彩を抑えた落ち着いた和の空間

■老舗御菓子処 大阪本家駿河屋/大阪市北区紅梅町2−17/電話06(6354)3333