【東大阪】子ども支援、福祉でつなぐ

 就労支援の利用者らも「それぞれにできること、得意なことを生かして社会とうまく関わり、困っている人への支援の輪を広げていけたらー」昨年末、就労継続支援B型事業所の「若草工房」や生活介護事業所「蓮」「蓮Ⅱ」で訓練を受けている人たちが、東大阪市内の子ども食堂やフリースクールなど13施設に野菜や食品を支援しようと、地域と協力しながら行った。食品類は地元の企業や団体の有志が集まって提供した。

 この活動は、持続可能な食育を通じて、子ども支援につなげる「こどもスマイリング・プロジェクト」の一環として一般社団法人サスティナブルフードチェーン協議会(東京都/代表理事:小林富雄氏)が主催、運営している。 

 こども食堂などへの食品寄贈は、支援したい人や団体、支援を必要とする人をつなぐ中間組織の役割が求められており、食品の一時的な保管場所や、提供先のニーズにあった支援ができているかどうかの検証も含めたマッチングを行う。現状では自治体やフードバンクなどがその部分を担っているが、ニーズに追いついていないという現実がある。

 同プロジェクトで若草工房は、事業所内の作業を中心に行った。数字や計算が強い人は仕分けを、周りともっと関わりを持ちたい人は配送など、それぞれにできること、得意なことを生かして業務を担当した。参加者からは「またやりたい」と意欲的な感想があった。

 若草工房の高田浩昭さんは、「今回は夏に続いて2回目なので、利用者さんが主導して業務を進めるようにしたところ、責任感をもって業務にあたってくれました」と振り返る。

「蓮」を運営する草の根共生会の和泉直貴さんは「利用者さんにとって外に出るきっかけになればと思って参加しました。「お疲れさま、ありがとう」と全く知らない人からねぎらいの言葉をもらったのはうれしかったと思います。地域や社会から求められ役割を果たせる社会を目指したい」と続ける。

  こども食堂「すばこキッチン」の理事長・西川香里さんは放課後等デイサービスも運営しており、「以前(放課後等デイサービスに)通っていた人が、今度は子どもを支援する立場になって再会できるとは。事業所を卒業して活躍している姿を見ることができてとてもうれしい」と感激していた。