共に相方が体調不良でリタイア中の漫才コンビ「令和喜多みな実」河野(37)と「爛々」萌々(26)が異色の新ユニット「ド根性ズ」を結成。その初ライブが12月5日、大阪道頓堀のZAZAポケットで開かれた。
50人も入れば満員の小劇場だが当日券がないほどの人気。登場すると拍手が鳴り止まず、2人は絶句して目を潤ませる一幕も。
この日は本来ツッコミ役の河野がシレッとボケ役を務め、逆に本来ボケ役の萌々がノリツッコミと呼ばれ笑いを取れるイジリの漫才3本を披露。普段ネタ作りをしている萌々がストーリーを考え、河野のアイデアを加えブラッシュアップ。先輩である河野がうまく萌々のパワフルな展開力を引き出し、場内は大爆笑。
両コンビとも在阪の賞レース常連の人気物だったが、「令和喜多みな実」は野村(35)が今年2月から、「爛々」は大国(33)が同8月から舞台を離れており、残された2人はそれぞれピン芸人として活動を継続。河野はさわやかな二枚目ぶりを生かしイベント司会役などに数多く起用され、萌々は下ネタを交えても嫌みにならないパワフルな本音トークでラジオDJや漫談、コントなど幅広くこなしてきた。MBSラジオ・松井愛アナから「一緒に何かやってみたら?」と背中を押され、吉本新喜劇・千葉公平からそれぞれの相方へのオマージュとして「ずっと待ってるズ」というコンビ名を貰ったが、日頃から「命燃やして生きる」を身上としている萌々が「ド根性ズ」と命名した。
共に男女コンビは初体験で「面白かった! また形を変えながら、一緒にいろいろやろう」とすっかり意気投合。本来のコンビを解くつもりは2人ともないそうで「体調の事なので、相方がどれぐらいで舞台復帰できるか誰も分からない。その間、我々は出来る事を何でもやってみて、今日のようにお客さんに喜んでもらえれば」と漫才芸では久々の手応えを感じたようす。
漫才コンビは解散した者同士や、相方が亡くなった時などに組み合わせを変えることはあるが、片方が休業中に残された者同士で組んだケースは過去にも例がない珍事。異色ユニットは、どちらかの相方が舞台復帰するまで続きそうで、今後の賞レース出場など成り行きが注目される。
(畑山博史)