名曲師・一風亭初月を偲ぶ 3・28国立文楽劇場で追善浪曲会

 浪曲伴奏の曲師(三味線)として注目されながら昨年3月急病で亡くなった一風亭初月(享年57歳)の追善浪曲会が3月28日昼に国立文楽劇場で開催されることになり、公益社団法人「浪曲親友協会」会長で人間国宝の二代目京山幸枝若らが会見して彼女の思い出を語った。

追善興行開催の経緯を説明する幸枝若

 初月は大学英文科を出て会社勤めをしていたが上方の伝統芸能に魅せられ経験のなかった三味線演奏の世界に1998年弟子入り。メキメキ腕を上げ、大阪文化祭奨励賞や大阪府知事賞などを受け、現在6人が活動する曲師のリーダー的存在で、テレビドキュメンタリー番組に紹介されたことも。

在りし日の初月

 幸枝若は「私が調子の良い時はテンポ良くノリに乗せてくれ、逆に悪い時はうまく演奏でカバーしてくれた。舞台を降りてからも気づいた事はその場でアドバイスしてくれた」としんみり。海外公演を一緒に回った春野恵子は「浪曲師に合わせ、物語情景や登場人物の感情を三味線の音色で表現する名人。居なくなったのが未だ信じられない」と涙ぐんだ。

会見に出席した前列左から幸乃、恵子、幸枝若、幸太。後列は後輩の曲師たち。

 追善会では演者全員が初月ゆかりの演題を選んだ。幸枝若は初月が好きだったお家芸の「会津の小鉄」を。弟子の幸太は初月がファンだった源氏物語から「葵」、同じく幸乃は初月が亡くなった日に一緒に仕事をして弾いてもらった「たんか指南」を。恵子は一緒だった海外公演で口演した「両国夫婦花火」選んだ。曲師の後輩、虹友美は「初月お姉さんもきっと見ていてくれると思います」と話している。

追善浪曲会のポスター

 全席自由、入場料4000円(前売り3500円)。文楽劇場窓口で販売中。

(畑山 博史)

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