Z世代の生態 スマホやSNSを使いこなすソーシャルネイティブ

Z世代の生態

 生まれたころからパソコンやスマホなどに囲まれて育ち、社会人になったと同時にコロナ禍が訪れたり、学校に行けなかったり、他の世代と異なる価値観やライフスタイルを持ち注目されている「Z世代」(一般に1996年から2012年ころに生まれた世代)。さまざまな調査結果から、Z世代の生態について探ってみたい。

Z世代とテレビ 「家に置いていない」が26%

 サブカル情報を配信するWEBメディア「otalabがこのほど、全国のZ世代を対象に「テレビの使用に関する実態調査」を実施した。
 最初に、実家暮らしではないZ世代の3153人に「あなたの家にテレビはありますか?」と質問。その結果、4人に1人が家にテレビを置いていない実態が明らかになった。

 では、家にテレビ置いているZ世代はどのような使い方をしているのか。772人にさらに詳しい調査を行ったところ、約半数は「動画配信サービスが映るテレビ」を使用していた。テレビを見る頻度については、ほぼ毎日が52%で、家にテレビがあっても使用しない人など、バラつきが見られた。

 「テレビを使用する中で一番利用時間が長いものは?」の質問では、最も多かったのが「地上波放送(リアルタイム)」で52・4%。次いで「録画の視聴」が25・2%。ここまでの調査結果から、「動画配信サービス」の利用時間が長いのではないかと考えられたが、地上波放送を楽しんでいるZ世代も多いことが分かった。

 最後に、Z世代がテレビを使用する理由について、最も多かったのは「お気に入りの番組や動画を見たいから」。次いで「特定の見てみたい番組や動画があるから」という結果に。

 Z世代にとってのテレビは「見たいものを見るために使用する」のが主流で、「なんとなくテレビを見る」割合は少ない傾向が見られた。

z世代のお部屋

イマドキの高校生 「父親と仲良し」が8割

 もうすぐ「父の日」。イマドキの高校生は父親とどんな関係なのだろうか。

 流行に敏感な女子高生らを対象に30年に渡ってアンケート調査を実施している渋谷トレンドリサーチ(アイ・エヌ・ジー運営)がこのほど、「イマドキの高校生男女と父親の関係」についての調査結果を発表した。

 まず、父親とは約8割の高校生が「仲が良い」と回答。7割以上が二人だけで「会話をする」「外食に行く」「買い物に行く」という関係のようだ。

 「甘やかしてくれるから好き」「二人でご飯を食べに行ったり、恋愛相談したりもする」という高校生も見られ、休日に父親と二人で出かけ、母親に話せないことを打ち明ける高校生もいた。

 父親の尊敬する点については、「家族のために仕事を頑張ってくれている」のほか、「お母さんにやさしい」「お母さんと仲が良い」といった声も多く、夫婦関係も重要なことがうかがえる。

 父の日のプレゼントの予算については、最も多かったのが1000~2000円。ハンカチやボールペン、靴下など実用性を基準にしたプレゼントを選ぶ傾向だった。

 最後に「お父さんになって欲しい芸能人」については、2016年に榮倉奈々さんとの結婚を発表し、現在は2児の父となった「賀来賢人」さんが1位。「一緒にいて絶対に楽しい」「自慢したい」「自分の友達とも良い関係を築いてくれそう」など、高校生たちが父親に求める理想像が垣間見えた。

お父さんとどのくらい仲が良い?

二人だけで会話をする 96.10%
二人だけで外食に行く 80.30%
二人だけで買い物に行く 76.30%
二人だけで映画に行く 60.50%
二人だけで旅行に行く 42.10%
二人だけでテーマパーク行く 32.90%
二人だけでカラオケに行く 23.70%

出典/渋谷トレンドリサーチ
(https://shibuya-trendresearch.jp)

お父さんになって欲しい芸能人は?

1位 賀来賢人 
2位 木村拓哉 
3位 ムロツヨシ 
4位 田中圭 
5位 山田裕貴 
6位 花江夏樹 
7位 大泉洋
7位 鈴木亮平
7位 竹野内豊
7位 伊達みきお(サンドウィッチマン)

出典/渋谷トレンドリサーチ
(https://shibuya-trendresearch.jp)

Z世代のトレンド コト・モノは「等身大」

 10~20代女性向けのトレンドメディア「トレポ」が2023年上半期のZ世代トレンド調査を実施。「コト・モノ」「プリクラポーズ」「ファッション」「グルメ・スイーツ」「流行語」の5部門でランキングを発表した。

 コト・モノ部門の1位は、東京の原宿にオープンした「友達がやってるカフェ/バー」。店員がまるで友達に接するようなフランクな対応をするユニークなコンセプトがSNSを中心に話題を呼んだ。

 2位は2020年に公開された仏発のSNSアプリ「BeReal」。昨年の下半期から米国などで流行しはじめ、今年上半期にはZ世代を中心に、日本でもユーザーが急増した。1日に1回、ランダムな時間に通知が送られ、2分以内のリアルな写真を撮影し投稿する仕組み。等身大の自分をリアルタイムで友人と共有するという、あえて写真映えを狙わないコンセプトがZ世代に共感を呼んだ。

 3位はZ世代から絶大な人気の「Y2K」に続くファッショントレンドとして注目された「Y3K」。3000年代の近未来がモチーフのファッションジャンル。

コト・モノ部門3位の「Y3K」
コト・モノ部門3位の「Y3K」

 その他の各部門の第1位については次の通り。

 プリクラポーズ部門の1位は「オッケーカフ」。耳たぶに指をかけ〝オッケー〟をとるポーズ。ジャニーズの人気アイドルグループ「Snow Man」のメンバー、向井康二さんがインスタライブでとったポーズが由来。Snow Manのファン「スノ担」の間で瞬く間に流行し、定番ポーズとなった。

 ファッション部門の1位は「カーゴパンツ」。近年はカーキ色やブラックなどの落ち着いた配色が定番だったが、今年はファッションアイコンになるようなデザインやカラーが人気ブランドから続々登場。インスタグラムでは「#カーゴパンツ」とつけた投稿が15万件を超えている(5月末時点)。

カーゴパンツ
カーゴパンツ

 グルメ・スイーツ部門の1位は「バースデードーナツ」。文字やろうそくでデコレーションし、簡易的でSNS映えすることから、Z世代の「誕生日サプライズ」にかかせないスイーツに。

SNS映えするバースデードーナツ
SNS映えするバースデードーナツ

 流行語部門の1位は「蛙化現象」。好意を持っていた人と両思いになった途端、相手への気持ちが冷める、気持ち悪く感じるなどの現象を指す言葉だが、最近はSNSで本来の意味から派生し、異性の行動によって気持ちが冷めてしまう現象に使われている。

コト・モノ部門
①友達がやってるカフェ/バー
②BeReal
③Y3K
④美術館巡り
⑤推しピク

プリポーズ部門
①オッケーカフ
②プインプインポーズ
③BESTYポーズ
④あげみさわポーズ
⑤你好(ニーハオ)ポーズ

プリクラポーズ部門で、左から1位の「オッケーカフ」、2位の「プインプインポーズ」、3位の「BESTYポーズ」
プリクラポーズ部門で、左から1位の「オッケーカフ」、2位の「プインプインポーズ」、3位の「BESTYポーズ」


ファッション部門
①カーゴパンツ
②ポップコーンバッグ
③トラックジャケット
④ティアードスカート
⑤クローシュハット

グルメ・スイーツ部門
①バースデードーナツ
②ニューヨークロール
③ダッグワーズ
④ベーグル
⑤パヌレ ※「カヌレ」から派生したカヌレ型のパイ

流行語部門
①蛙化現象
②かわちぃ(TikTokのSleepyBoy(スリーピーボーイ)のコーデ紹介動画で「かわちい」という言葉が使われ、使用する人が急増)
③気にぴ(好きな人を表す言葉「好きぴ」から派生し、気になる人を表現する場面に使われる。「気になるピープル」の略)
④はみ出していく(話題のボーカル&ダンスパフォーマンスユニット「新しい学校のリーダーズ」の自己紹介「個性や自由ではみ出していく」から生まれた言葉。)
⑤てぇてぇ(元々はVTuber界隈で使われていた「尊い」という意味)