海外大の出願シーズン到来 日本の高校生に広がる「海外進学」志向

 米英の大学が出願シーズンを迎えている。米英は世界の大学ランキングで上位を独占しており、こうした名門校では国際社会で活躍する卒業生を数多く輩出している。国内の有力校でも海外大学への合格実績がこの2年で倍増するなど、日本の高校生の進学もグローバル化が進んでいる。

日本は東京大の36位をトップに、100位以内に4校のみ

 教育情報サイト「インターエデュ」が公表する各年の「海外大学 合格者 高校別ランキング」によると、上位10高校の合計は2023年には523人だったが、25年には1287人に倍増した。全国トップは広尾学園高校(東京都港区)で、25年は375人(7月25日現在)の合格者を輩出。過去13年で累計1450人を海外に送り出している(同校ホームページより)。

QS世界大学ランキング2026年版の世界トップ10

 イギリスの大学評価機関クアクアレリ・シモンズ社(QS)が発表する「QS世界大学ランキング 2026年版」では、米国のMIT(マサチューセッツ工科大)やスタンフォード大、英国のオックスフォード大など、米英の大学がトップ10のうち8校を占めた。アジア最上位はシンガポール国立大の8位。日本は東京大が36位、京都大(57位)、東京工大(85位)、大阪大(91位)の4校のみが100位以内に入っている。

QS世界大学ランキング2026年版のデータを元にアジアトップ10を本紙で抽出

 同ランキングは、学術評価や教員一人当たりの論文引用数、学生数に対する教員の比率など、複数の観点から大学の「総合力」をスコア化している。

 こうした名門校はGoogleのラリー・ペイジやセルゲイ・ブリン、マイクロソフトのビル・ゲイツ、Metaのマーク・ザッカーバーグら世界的企業の創業者を輩出。英語圏で最古の大学である英オックスフォードでは、近代経済学の父で「国富論」の著者でも有名なアダム・スミスも学んだ。

QS世界大学ランキング2026年版のデータを元に日本のトップ10を本紙で抽出

海外大への進学を保障する民間のプログラムも

 実際に、海外留学の窓口となるイー・エフ・エデュケーション・ファースト(EF)への相談も増えている。同社は世界250校以上の大学と提携している強みを生かし、100%の進学を保証する「大学進学準備プログラム」を留学生に提供。英オックスフォードや米ニューヨーク、仏パリなど7カ国10地域に直営校を構えている。

英国の名門ケンブリッジ大学(EF提供)

 プログラムの対象は16歳以上で、期間は6〜11カ月。この間に、入試に必要な語学力やエッセイ作成も指導する。費用の目安は英で300万〜470万円、米で320万〜650万円などだが、奨学金や教育ローンでの軽減も可能だ。

米ニューヨークのブロードウェイ(EF提供)

 自身も留学経験が〝人生を変える旅〟になったEF日本支社の伊東グローニング七菜社長は「語学・専門力・国際感覚を磨ける海外進学は将来の可能性を大きく広げてくれる」と話している。

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