
気球に乗って上空から世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」を眺められる「おおさか堺バルーン」が10月4日、堺市堺区の大仙公園で運航を開始した。
気球は欧州航空安全局(EASA)の安全基準を満たした仏エアロフィル社製(ヘリウム気球)で、各国の都市やテーマパークも導入。試乗会では、気球が静かに約100㍍まで上昇。眼下には44基の古墳群や大阪の街が広がり、地上からは見えない仁徳天皇陵の鍵穴の形状(前方後円墳)があらわになった。
同市によると、古墳群が世界遺産に登録された2019年は前年度に比べ、博物館を訪れた人は1.6倍、大仙公園の観光案内所を訪れた人は2..4倍に大幅増。ただ、他地域では世界遺産登録から数年経つと来訪者が減る例も少なくない。このため、同市では気球を新たな観光の目玉にして交流や誘客を狙う。
同事業の一部には、個人や民間企業からの寄付が充てられており、企業版ふるさと納税で寄付した電材住建の総合商社「たけでん」に永藤英機市長から感謝状が送られた。同社の渡辺弘康社長は「堺に営業所を持つ企業として、観光資源を守る取り組みに賛同した。これからも地域の発展に貢献していきたい」と話していた。
離陸から着陸までは10~13分で、料金は大人4200円(WEB割引き、堺市民割引きあり)。