高次脳機能障害をテーマにした長編ドキュメンタリー映画『いのち見つめて~高次脳機能障害と現代社会~』の上映会と講演会が、10月25日(土)午後2時から、丸亀市保健福祉センター(ひまわりセンター)研修会議室3で開かれる。参加無料。主催は「高次脳機能障害を知ろう!映画『いのち見つめて』丸亀市上映会実行委員会」。NPO法人日本高次脳機能障害友の会が後援している。

同作は、1963年に発生した三井三池三川鉱の炭じん爆発事故を背景に、当時CO(一酸化炭素)中毒で脳に損傷を負った炭鉱労働者の闘いと、現代の高次脳機能障害者の姿を重ねながら、社会のあり方を問うドキュメンタリー(2021年製作)。監督は港健二郎さん、撮影・編集は木戸直道さん。音楽は岡本美沙さんが手がけた。
「高次脳機能障害」は、脳梗塞や脳出血、あるいは交通事故などで脳が損傷を受けた結果、“注意力・記憶・判断・感情・社会的行動”といった高次の認知機能に障害が生じ、日常生活や社会生活に制約が出る状態を指すと言われている。外見からは分かりづらく、「見えない障害」とも言われ、本人・周囲ともに理解が追いつかない事例も多い。
上映(70分)の後には、「高次脳機能障害を知ろう」と題して、脳神経外科医で大阪府高槻市「やまぐちクリニック」院長の山口研一郎さんが講演。山口医師は、医療現場で認知リハビリや在宅支援に取り組む一方で、「現代医療を考える会」を主宰。最新刊『高次脳機能障害と社会的支援』(緑風出版)では、法制度のあり方にも提言している。
山口医師は「高次脳機能障害の人たちが置かれている状況は、現代社会で多くの人が直面しているストレスや孤立の縮図でもある」と語る。
実行委員会には、3年前の交通事故をきっかけに、体の不調に苦しみ、噂を聞いて山口医師に診断を仰いだ、寝屋川市在住の澤清美さんも当事者として関わっている。澤さんは「誰にでも起こりうる障害を通して、“いのち”を見つめ直す時間にしたい」と参加を呼びかけている。
問い合わせは電話/澤さんへ090-1897-6286
■会場 丸亀市保健福祉センター(ひまわりセンター)
住所/香川県丸亀市大手町2-1-7