
大阪の産学官連携による大型スタートアップイベント「Tech Osaka Summit 2025」が9月16、17日、グランフロント大阪北館(大阪市北区大深町3−1)で開かれた。
150社以上のスタートアップがブース展示を行ったほか、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーである石黒浩氏や実業家の堀江貴文氏らによる講演・トークセッションも実施。また、賞金500万円を懸けたピッチコンテストも行われ、約3000人のスタートアップ関係者が会場に集まった。
万博契機に「実需の場」へ進化
大阪市は2013年度にうめきた地区に「大阪イノベーションハブ(OIH)」を設置し、世界から人材・情報・資金を集める拠点づくりを進めてきた。20年度には国の「スタートアップ・エコシステム拠点都市」に選定され、国際会議「Hack Osaka」を通じて国内外に発信を続けてきた。今回のサミットはその成果を発展させ、2025年大阪・関西万博を契機にスタートアップの実質的な成長につなげる狙いが込められている。
熱気あふれるブース
会場では、大阪・関西の強みである分野のバイオ・ライフサイエンス、グリーンテック、デジタルなどの分野から出展が並び、各所で投資家や事業会社との個別商談やスピードマッチングが行われた。出展者は、「どれだけいいものを作っても、マーケットを広げるには同じ熱量を持った投資家に会うことが最も重要であり、ベンチャーにとっての課題でもある。こんな大きな場でマッチングの機会をもらえることは非常にありがたい」と語り、実需に直結する機会としての意義を強調した。


著名人によるトークセッションや講演も
石黒氏は16日の午前のセッションに登壇。大阪芸術大学の萩田紀博氏、アラヤの金井良太氏、そして国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の宮下敬宏氏らとともに「サイバネティックアバター」の進展を切り口に、新しい生活や働き方、さらに世界的に挑戦している現状について語った。
同日午後に登壇した堀江氏は関西発スタートアップが世界で活躍するために必要なことについて実践的な視点を披露。聴講席は立ち見が出る盛況ぶりとなった。

