10月開始の新型コロナワクチン定期接種 泉大津市はなぜ、公費負担をしないのか?

南出賢一 泉大津市長に聞く

 10月から始まった高齢者への新型コロナワクチンの定期接種を巡り、自治体によって自己負担額に差が出ている。東京・渋谷区は全額公費負担で無料で受けられる一方、大阪市や守口市、枚方市などは自治体が一部を負担し、3000円で接種可能だ。こうした中、以前からワクチンに懸念を示している泉大津市の南出賢一市長は一切の補助をしない決断をした。渦中の南出市長をインタビューし、その背景を聞いた。

「選択肢があることが豊かさだ」と強調する南出市長
「選択肢があることが豊かさだ」と強調する南出市長

「超過死亡」の背景に、免疫低下の可能性

─高齢者へのコロナワクチンの定期接種が始まった。自治体によっては自己負担なしの地域がある一方、泉大津市は自治体の補助は一切しないことを決断された。理由は。

 史上最大の薬害被害が起きている懸念があるからだ。私自身、子どもから高齢者までワクチンが原因とみられるひどい後遺症などを見てきた。そうした状況にあるのに、ワクチンの接種補助に市民の税金は使えない。

─泉大津市以外に、同じ決断をした自治体はあるか。

 あまり聞かないが、首長の中にはワクチンに懸念を示す人もいる。ただ、「国のお達しだから仕方がない」と同じ決断をできない人や、実情をご存じない人が多いと考えている。 泉大津では以前から地元の市議会などと新型コロナとワクチンの懸念について一緒に勉強してきた。今回の定期接種についても「市として補助をするべきではない」と言ってくれている人が多い。

─コロナに関して市長は最初から警鐘を鳴らしておられるようだ。そう考えるに至ったきっかけは何だったのか。

 2020年3月に武漢型ウイルスで騒動になった時、中国の診療ガイドラインを入手した。膨大なページ数で新型コロナウイルスの症状が細かく記載され、現代医学のさまざまな治療法などについても書かれていた。そこには中医学、いわゆる東洋医学の清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)による治療なども記載されていた。
 こうした治療の情報があるのに、当時は中等症、重症になってから医療が登場する状況にあった。火事と同じで、火が大きくなる前に初期消火をすればすぐに消える。それを中等症などひどくならないと治療が受けられないことに、すごく違和感を持っていた。
 新型インフルエンザをはじめ、感染症ウイルスの歴史を振り返ると、初期の治療に漢方が有効であることは知られている。ならば選択肢がある方が豊かになる。しかし、一向にやらなかったことに対し、疑問を感じたのがきっかけだった。

─泉大津はマスク不足の時期、〝繊維のまち〟の強みを生かしていち早く地場産業でマスクの生産体制を整えられた。ところが、アベノマスクへの批判が泉大津のマスクにも飛び火し、値段が高いと炎上した。

 泉大津産のマスクは地元の職人たちが高い技術で手作りしたもので価格も適正だった。にもかかわらず炎上してしまったので、誤解を解くため安倍首相のもとを訪れることにした。
 実は首相官邸を訪れたのにはもう一つ目的があり、先ほど説明した治療の選択肢を増やしてもらうよう首相に要請したかった。

─話はできたのか。

 総理大臣補佐官と会談することができた。そこで私たちが持っている情報などについて説明する機会を得た。

─補佐官の反応は。

 一定は理解してもらえたが、国として方針を変えるのは難しいのではないかと感じた。この点については今でも腑に落ちていない。
 とはいえ、さまざまな治療の選択肢が用意されている方が市民にとっては豊かだ。そこで、市独自に漢方の医者たちにも協力してもらいながらオンラインで相談を受け付け、市民に選択肢を提示できるよう取り組んだ。清肺排毒湯などは処方が必要なため、同様の効果が期待できるお茶なども配布した。市民のためにあらゆることに取り組んできたつもりだ。

─コロナやワクチンの後遺症で苦しむ人を助ける改善プログラムも実施されている。

 最初は実証実験し、一定の効果が見られたので市の事業としてスタートさせた。もう3年続けており、市外からの申し込みも増えている。
 病院に行っても相談に乗ってもらえなかった人や、病院で治療を受けても悪化する人もいる。こうした患者が最終的に泉大津へやって来る。後遺症には3つあり、一つはコロナ後遺症、もう一つはワクチン後遺症、最後にワクチンを打ってコロナに感染した後の後遺症だ。このうち、後者の2つが大変。(繰り返しの接種で免疫が抑制・暴走し発症した)自己免疫疾患の患者も主にこの2つだ。

─プログラムの効果は。

 ほとんどの人が改善している。ただ、自己免疫疾患になった人は、一時的に楽になっても1日動くと1週間ぐらい動けなくなったりする。ワクチン接種後に失明した人、若いのに歩行障害になってしまった人、脳の難病を発症した人など現場で悲惨な状況を数多く見てきた。

市長室のモニターに表示された「ワクチン接種から死亡までの日数の分布」。1カ月ずつの棒グラフになっている
市長室のモニターに表示された「ワクチン接種から死亡までの日数の分布」。1カ月ずつの棒グラフになっている

─海外では2年前からワクチン接種は進んでいないが、日本だけ接種を繰り返している状況についてどう見ているか。

 繰り返し接種した後、何が起きているかといえば超過死亡だ。原因としてワクチン接種を繰り返したことによる、免疫の低下などが考えられる。
 そもそもワクチンで副反応が起こるメカニズムは、熱を出して体が炎症反応を起こし、異物をやっつけようとしているからだ。例えば、3回目の接種まで副反応に苦しんだが、4回目は熱が出ずラッキーだと思うかもしれない。しかし、それは違う。実態は体がIgG4抗体を増やすことで免疫を抑え、炎症が起きないようにしているからだ。
 免疫が抑制されれば外から入ってくるウイルスとも戦えなくなるとともに、体内に入ったウイルスを排除しにくくなる。報道を振り返ってほしい。熱がないのに陽性になっていた、そして気がついたら肺炎になっていたという人を多く見かけないだろうか。
 なぜ、夏にインフルエンザが流行するのか。なぜ、帯状疱疹(たいじょうほうしん)や梅毒が流行するのか。因果関係に免疫低下があるとすれば合点がいく。
 今回のスパイクたんぱく質はエストロゲン受容体α、いわゆる女性ホルモンにくっつくことが分かっている。卵巣がんや乳がんなど女性のがんが増えた理由も、ワクチンの影響が考えられるのではないだろうか。
 国が健康被害を認定した人への給付は、23年度当初予算で3億6000万円を見込んでいたが、年度末の補正予算で110倍の397億7000万円に膨らんだように、想定外だったことがうかがえる。それでもまだ審査の段階にまで行けていない人が多く、増える一方だろう。

─9月26日現在で、ワクチンの予防接種被害救済制度における死亡認定は843件に上っている。

 65歳以上の接種数を季節性インフルエンザワクチンと母数をそろえた場合、救済制度の死亡認定数は約130倍になっている。若い人も多く亡くなっており、死因は突然死が多い。
 本市における今年3月までの2年間で平日だけのデータではあるが、最終接種日から死亡までの期間は5カ月目がピーク=下の写真。そこから8カ月目ぐらいまで高い。仮にワクチンに影響がないのであれば、グラフは山にならず平坦になるはずだ。また、死亡した人の接種状況を見ると、4回以上接種した人が多く感じる。
 このデータは22年からのもので、1~2回目接種の時期だった21年は入っていない。実は1~2回の時の死亡認定が多く、くわしくはこれから調査していくつもりだ。
 こうしたデータをもとに科学的審議がされない中で、自治体や医者は自分の判断に責任を持てるのか。振り返ればワクチンを巡り、有効性についての見解やデータは次々と変わっていった。最初は2回打てば感染予防効果がある、集団免疫ができると言っていたが、結局はそうではなかった。ワクチンの効果は全く証明されておらず、未だにきちんと総括されていない。
 市民を守るためも、そんな状況にあるワクチンに対し、税金から補助は出せない。

─マスコミ報道では、泉大津が補助しない理由までは説明されていなかった。

 こちらはきちんと背景を伝えているが、大手メディアは詳細にそこを書いてくれない。自己負担をなしにする自治体がある一方で、「泉大津は7200円かかりますよ」という部分だけ取り上げている。

─市長はこれからも声を上げて行かれるのか。

 その時点で分かっている最新の事実を市民に提供する。そして、困った人が泣き寝入りをしなくてすむように助ける。この2つに取り組んでいく。事実を超える科学はないし、事実を超える医学はない。今までの薬害と同じことを繰り返してはいけない。
 初めて実用化されたワクチンを体内に入れるわけだから同調圧力を含めて、強制はいけないという考えは変わらない。人には人権があるわけだから、あらゆる情報を提供し、最終的に本人が選べるようにしなければならない。選択肢があることが豊かさなのだから。