スカラ座バレエにローマ歌劇場管弦楽団 圧巻のステージに観客総立ち イタリア文化が万博を彩る

 イタリアのナショナルデーが9月12日に行われた。朝から、鼓笛隊による華やかなパレードが大屋根リング上であり、パレード後はシャインハット前の広場でラ・カーヴァ市旗手団によるフラッグパフォーマンスが行われ、開始早々から大きな盛り上がりを見せた。

 午前11時からはシャインハット内で公式式典が開かれ、セレーナ・アルティエーリさんがイタリア国歌を、藤井泰子さんが君が代を斉唱して幕開けとなった。

 どちらも圧巻の声量と澄み渡る歌声で歌い切った国歌斉唱に続いて、赤松健文部科学大臣政務官と、アレッサンドロ・ジューリ文化大臣による両国の代表によるスピーチが行われた。

 その後は、ミラノ・スカラ座アカデミア劇場によるバレエパフォーマンスが披露された。演目は、ロッシーニ・カードとラ・ストラーダからそれぞれ抜粋されたものだが、見応え十分なパフォーマンスを披露した。

 午後2時半過ぎからはイタリアパビリオンで、この日から登場する新しいアート作品が登場し、その除幕式が行われた。

 すでにイタリア館に展示されている「空間における連続性の唯一の形態」を制作したウンベルト・ボッチョーニの師匠に当たるジャコモ・バッラの「ボッチョーニの拳の力線」という作品がそれで、師弟関係にある二人の作品が同じ場所で並んで展示されるのは初めての試みという貴重な場になっている。

空間における連続性の唯一の形態
ボッチョーニの拳の力線

 バッラの「ボッチョーニの拳の力線」は1日限りの限定展示の予定だったが、今後も展示されるかもしれないという噂があり、どうなるかワクワクが残る。

 夜には、午後6時からシャインハットでローマ歌劇場管弦楽団によるオペラのパフォーマンスが披露された。

 指揮者にフランチェスコ・イヴァン・チャンパ氏を迎え、歌い手にはソプラノ担当のアナスタジア・バルトリ氏、テノール担当のルチャーノ・ガンチ氏、そしてバリトン担当のルカ・ミケレッティ氏の3氏がローマ歌劇団管弦楽団と豪華な共演を行い、1時間半に渡って8つの演目を披露。会場を埋め尽くした観客を魅了した。

フランチェスコ・イヴァン・チャンパ氏
ルカ・ミケレッティ氏
アナスタジア・バルトリ氏
ルチャーノ・ガンチ氏

 当日のプログラムは以下の通り
ヴェルディ:歌劇《ナブッコ》より 序曲
ヴェルディ:歌劇《マクベス》より 「慈悲、尊敬、愛」 (バリトン)
レオンカヴァッロ:歌劇《道化師》より 「衣裳をつけろ」 (テノール)
プッチーニ:歌劇《トスカ》より 「歌に生き、愛に生き」 (ソプラノ)
レオンカヴァッロ:歌劇《道化師》より 間奏曲
プッチーニ:歌劇《ボエーム》より 「君はもう戻って来ない」(テノール、バリトン)
プッチーニ:歌劇《トスカ》より 「マリオ!マリオ!」 (ソプラノ、テノール)
プッチーニ:歌劇《マノン・レスコー》より 間奏曲
ヴェルディ:歌劇《仮面舞踏会》より「聞こえるか、あの暗いざわめきが」 (ソプラノ、テノール、バリトン)

 パフォーマンス終了後には観客が総立ちで割れんばかりの拍手喝采が贈られ、イタリアアートの底力を示す1日の締めくくりに相応しい瞬間を迎えた。

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