
大阪・岸和田市出身の演歌歌手・大江裕(35)が新曲「十勝秋冬」PRで故郷・大阪に戻り取材に応じた。
高校時代にテレビ番組「SUPERからくりテレビ」の企画でプロ歌手に挑戦したのが縁で北島三郎に弟子入り。「のろま大将」でデビューし明るく元気なイメージが強い。今回はその持ち味のダイナミックな歌唱力をあえて抑え「家族の絆と愛」をテーマに切々と歌い上げた新境地。

「(北島)先生をずっと舞台の袖で見て、学ばせて頂いた」のが財産で、今回の歌唱も北島の持ち歌「おやじの背中」(1994年)を参考に。「先生はただ抑えて歌うのではなく、母音を強調しメリハリを付けて哀愁感を演出。今までの僕にはなかった新たなテクニック。お陰様でまた一歩階段を上がれました」と手応え。
その分、カップリングの「北の縄のれん」は皆が知る大江らしい軽快で力強いテンポ。「どちらも徳久広司先生の作曲、たきのえいじ先生の詞、そしてアレンジも同じ佐藤和豊先生。全く曲調が異なるなんて演歌の世界は奥深い」と本人もびっくり。
11月で36歳の年男。「感謝36祭万歳36祭」と題し年末まで各地でディナーショーを展開。大阪市内だけでなく故郷岸和田市でも11月16日に昼夜2回公演を予定。「食事付きの少人数で高額料金を払って見に来て下さる。ありがたいですね。ライブコンサートでは出来ない趣向を色々考え喜んで頂く」と準備も着々。

デビュー17年目に入り、一流の証明でもある「NHK紅白歌合戦」に連続出場中の同じクラウン所属の先輩、三山ひろしの背中を追う。「後輩の〝第7世代〟から昨年、新浜レオン君が初出場しましたからね。僕ももう一度あの舞台に戻らなければ」と決意も新た。
「今度の新曲はもちろんですが、兄貴分の北山(たけし)先輩とのユニット『北島兄弟』も大事。先日は(松原)のぶえ先輩に加わって頂き、新たな楽曲にも挑戦できた。ニューミュージック界ではソロやユニットでのライブは当たり前」と北島ファミリーの結束は今も健在だ。
(畑山博史)
