宇宙旅行から大谷翔平まで 米国館、圧巻のストーリー展開 月の石も再登場

 外から見ると異様な三角形の建物が2つ左右にあり、真ん中を白く四角い巨大な箱(キューブ)が繋いでいるアメリカパビリオン。

 この三角形の形は日本の侘び寂びに影響されたデザインだそうだ。どこをどう影響されたのか見ているだけでは全くわからないが。

アメリカ、万博

 そしてその中身が一体どういう構造なのかも、外から見てもピンとこなかったが、中を通ってみて納得。

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 アメリカらしい、世界をリードするかのように参加者をリードしながら進んでいくストーリー展開で構成されていて、全体は5つのセクションに分けられている。

 館内に入るとすぐに星のキャラクターSPARKがお出迎えしてくれた。

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 SPARKの歓迎を受け、そのまま通路を進むと天井にモニターがぶら下がった辺りで立ち止まって映像を見ることになる。

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 ここでは、アメリカへの留学や異文化交流の魅力を経験者たちが語っている。
 アメリカ留学や在住経験がある者として色々と思うところのある演出だったが、確かにアメリカの魅力の一面をしっかりと伝えていた。

 それが終わると、正面に〝Imagine What We Can Create Together〟(共に学べることを想像しよう)という同館のテーマが壁に描かれているのが見える。

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 そして最初の部屋へ。壁4面に大型のスクリーンが据え付けられていて、その間をSPARKが飛び回り、映像ではアメリカの自然や最新技術、食、人々などが楽しそうにしている様子が紹介される。

 次の部屋では、全面に大きなスクリーンが3つ並んで置かれていて、映像がスタートすると3つがそれぞれに別の映像を映し出し、早いテンポで切り替わっていく。

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 途中、メジャーリーグベースボールのシーンが出てくるが、そこでフォーカスされているのが大谷翔平選手。

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 アメリカらしい人選で笑ってしまった。

 この辺りまではアメリカの魅力を全面に押し出して、どれだけアメリカが魅力的かを伝える構成になっていた。今のアメリカの分断や「America First」というメッセージを忘れさせてしまいそうなほどの圧倒的な発信力なので、多くの人がアメリカに魅了されるのではないだろうか。

 ここから少し雰囲気が変わり、宇宙船やロケットの模型が置かれた部屋へ移動し、アメリカの宇宙探索の歴史を振り返る映像を見ることになる。

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 これまで積み上げてきた実績や発見などを紹介し、来館者の気分を上げていく。

 そこから移動すると今回のメインコンテンツを体験する部屋へ入っていく。ロケットの発射台の下部にいる設定で、天井にはロケットの底が見え、エンジンからは白い煙のようなものが出ているのがわかる。

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 カウントダウン後、ロケットは発射され、宇宙へ飛び出していく。高さ10メートル以上はありそうな大画面スクリーンが3面を覆い、天井も同じ様に大型スクリーンが。そして残りの1面には巨大な鏡が壁一面に貼られていて、室内にいる来館者の姿や大画面スクリーンに映し出される映像が写っていて、空間が余計に大きく見える演出がなされていた。

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 コンテンツは、NASAのロケットが発射台を飛び立ち、宇宙空間に飛び出していき、宇宙空間を旅する様子を映し出すので、まるで宇宙を旅しているようだった。NASAが所有しているのだろう写真や映像も盛り込み、全体はデジタル映像でまとめていて、その映像美と規模の迫力に圧倒される。

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 子どもだったら、口が開いたまま塞がらないのでは、と思うほどのダイナミックな映像と音の競演だ。とてもアメリカらしい、そして万博ならではの内容といえそう。

 大いに盛り上がった後、最後に登場するのが「月の石」。1970年の大阪万博でもアメリカパビリオンは「月の石」を展示したが、今回の月の石はそれとは別のもので、1972年に採取されたもの。

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 しっかりと守られたケースの中に入っている上に、一瞬だけしか見る時間がないので、月の石を見たことで満足できる人には良いが、ゆっくり眺めたい、という人には物足りないかも。

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 建物内には併設のレストラン、アストロスパークがあり、アメリカらしい食事が食べられる。最近メニューが更新されたところでセットメニューが登場している。

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 レストランの向いにはステージがあり、今後様々なイベントやパフォーマンスが行われる。ユースアンバサダーと呼ばれる若いスタッフたちのほとんどは英語と日本語が話せるので、気軽に話しかけたり、質問してみては。