国税庁が7月1日に発表した令和6年分の路線価で、近畿地方は3年連続で平均上昇となった。コロナ禍からの回復が進み、大阪市内では森ノ宮や弁天町、ミナミ(心斎橋筋)などで地価が大きく上昇。2025年大阪・関西万博や再開発への期待が地価を押し上げている。

近畿路線価3年連続プラス
キタ・ミナミ回復進む
大阪市北区角田町の阪急うめだ本店前は、1平方㍍あたり2088万円で、近畿で42年連続の最高額となった。JR大阪駅北側「うめきた2期」の再開発が進み、ホテルや商業施設の開業が地価を押し上げた。今年の上昇率は5・4%だった。
心斎橋筋(戎橋ビル前)は、前年比13・6%上昇し、4年ぶりに地価がプラスに転じた。コロナ禍で全国最大の下落率を記録したミナミだが、外国人観光客(インバウンド)の回復や店舗の再開が活況を取り戻している。
森ノ宮・弁天町の再開発エリアが急伸
大阪市城東区の森ノ宮駅周辺は、大阪公立大学の新キャンパスや大阪メトロ新駅の整備計画が進んでおり、前年比15・0%上昇。昨年は近畿で26番目だったが、今年は一気に6番目に浮上した。
港区の弁天町駅周辺も前年比10・4%の上昇。大阪・関西万博に向けた交通インフラ整備やマンション建設の進展が地価を押し上げている。夢洲への地下鉄延伸が追い風となり、ベイエリアの注目度が高まっている。
森ノ宮・弁天町の再開発エリアが急伸
大阪市淀川区宮原3の市道歌島豊里線沿いは、東淀川税務署管内で前年比18・5%上昇し、大阪府内でも有数の高い伸び率を記録した。
兵庫県豊岡市の城崎温泉駅前通りは、前年比24・2%上昇し、近畿2府4県で最も高い伸び率を記録した。外国人観光客の増加に加え、飲食店などの新規出店が相次いでおり、観光地の地価回復が進んでいる。
大阪市西区の大阪メトロ肥後橋駅前は、前年比19・3%上昇し、大阪府内(国税庁管内)で最高の上昇率を示した地点となった。高層マンションやオフィスビル、カフェが立ち並び、若者を中心に人気が高まっている。
