英国館で「食」PR 北アイルランドのウィスキー、スコットランドのシーフード、ウェールズのラム肉など

 英国パビリオンが食文化の祭典を開催するというので参加してみた。欧州で「食」といえばフランスやイタリア、スペイン、ギリシャなどを思い浮かべるが、英国はなかなか出てこないのではないだろうか。

英国、万博

 そんな英国が、日本における英国の食品および飲料に対する認知、イメージ、購買意欲の向上を目的とした試食やテイスティングが体験できるイベント「Festival of Flavours」を14~15日に英国パビリオンで開催したのだ。

 サーモンや鯖を使ったシーフード、豚肉やラム肉を使った肉料理、複数のチーズなどが試食でき、事前に情報をキャッチしていた一般来場者も多数おり、英国フードに満足の笑顔を見せていた。フード以外にもラム酒やウィスキーなどが展示されており、これらは英国パビリオンの2階にあるJohnny Walker Barで試飲することができた。

 英国のフードということで、どんなものが出てくるのかと思っていたが、最初に試食した鯖やサーモンを使った料理は、一言で言って「うまい」。脂のノリがよく、魚の旨味が滲みでていた。どちらもおいしかったが、特に鯖は脂が乗っているのにしつこさがなく食べやすかったのが印象的。

 英国は北海道と似た緯度に位置しているので、寒流の影響で鯖やサーモンの身が締まって脂の乗った状態で水揚げされるのでおいしいのだと説明があった。

 ラム肉に関しては、ウェールズでは羊の放牧が盛んで、栄養価も高いためポピュラーな食材だそうだ。豚肉は甘みと旨みが程よくバランスしていて幾つでも食べられそうだった。

 チーズに関しては、実は英国内で700種類を超える個性豊かな種類が作られていて、濃厚なスティルトンからキリッとしたチェダーまで幅広くある中で、今回その一部が提供された。

 フードに比べるとブランド力や認知度が高い英国のアルコール飲料だが、アイリッシュウィスキー以外にも、スピリッツやワインは旬の素材の魅力を引き出すためにテロワールにこだわり、ジンやイングリッシュ・スパークリングワインなど様々なアルコールがある。会場では何種類かのミニボトルがサンプルとして展示されていた。

 「Festival of Flavours」での試食の前にメディアと万博の英国政府代表キャロリン・デービッドソン氏とのやり取りがあり、「日本は英国にとって食料品の第2位の輸出先でもあるので、それをもっと拡大するためにこういうPRの機会を設けた。そしてフィッシュ&チップス以外にも、北アイルランドのウィスキー、スコットランドのシーフード、ウェールズのラム肉など日本人には馴染みが薄いがおいしいフードがたくさんあるので、それらを知ってもらいたい」と力強く語っていた。

 試食後は、同館2階にある「Johnnie Walker Bar」でイベント専属ミクソロジストが提供するカクテルが振る舞われたり、英国で有名なロックバンドBlurのミュージシャンAlex JamesによるDJで奏でる音楽で楽しい時間が用意されていた。

 私たちが知らないだけで、英国にはおいしい食材や料理がたくさんあるということを感じられるイベントだった。機会があればもっと英国フードを味わってみたいものだ。また、「試食に行きたかった」という人には朗報がある。英国パビリオンでは今後も様々なイベントを準備しているので公式HPやSNSをチェックすれば、行きたくなるイベントに出会えるはず。

 ちなみに午後6時からパビリオン前で開催されたAlex JamesのDJ LIVEには大勢のファンが雨の中集まりかなり盛り上がった。やはり英国といえばロックなのだろう!

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