「おもしろ×おいしい」関西土産の立役者

 旅先や出張先で、贈る人の顔や贈った際の反応を思い浮かべながら選ぶのが楽しい土産品。「かわいい」ことや「おいしそう」なこともさることながら、関西土産に欠かせないのが「おもしろ」要素ではないだろうか。

  パッケージを見た瞬間クスッと吹き、思わず手に取ってしまうーそんな「おもしろ×おいしい」雑・菓(雑貨と菓子の掛け合わせ)をプロデュースしているのが、ヘソプロダクション。

 最近では、ミャクミャクくんをあしらった「2025年大阪・関西万博公式ライセンス商品」や関西を代表するスポーツチーム(阪神タイガースやセレッソ大阪)を応援するファングッズが席巻。過去には、液状のりでおなじみのアラビックヤマトを模した容器にはちみつを詰めた「はちみつ アラビックリ!?ヤマト」や、サクラクレパスの定番商品クーピーの発色と形状をそのまま箸にした「クーピー風カラー箸」、商人の町・大阪のユニークな発想から誕生し、発売からわずか半年ほどでシリーズ累計10万個も売れた「忖度まんじゅう」などがある。

 いずれも爆発的に売れたのはもちろんのこと、一度目にすると忘れられない商品ばかりなので、ヘソプロダクションの社名は知らずとも、同社が手がけた商品については手にした経験があるはずだ。

 そんな同社の頭脳でありヒットメーカーである、代表の稲本ミノルさん(経営表現者)に運よく話を聞くことができた。

 なぜ、大阪の手土産品にこだわるのか―稲本さん曰く、「手土産はコミュニケーションツールのひとつ」であり、「つかみ」なのだと。最初にガシッと相手のハートをつかんでしまえば、その後の関係も円滑になりやすい。いかにも大阪人らしい発想であり、マーケティングにも処世術にも通じる、ニクい手だと感心した。(記者:西村由起子)