留学生の受け入れ、海外大進学が活発化する履正社中高の躍進

多言語多文化プログラム始動 履正社中学校・高等学校

 世界にひらかれた視野を持ち主体的に学ぶ生徒を育むため、今年4月に校内組織「学術基盤センター」を新設した履正社中高。米国の名門18大学への入学が保証される「デュアル・ディプロマ・プログラム」の導入や、マレーシア6大学の指定校推薦入学枠獲得、オーストラリア名門大学との提携、様々な国からの留学生の受け入れ、オーストラリアへの留学など、活発化する同校の取り組みを紹介する。

なぜ、「学術基盤センター」なのか

 知識やスキルの習得は大切。しかしそれに加え、これからは「蓄えた知識をどう生かすのか」が問われる時代だ。変化の激しい国際社会で、課題を見つける力や情報を探して読み解く力、多角的に検討し結果をわかりやすく説明する力がより必要になる。これらの力は大学進学だけでなく、すべての生徒が将来にわたって自ら学び続け、能力をしっかり発揮するための基盤となる。そうした学びを下支えするのがセンターの目的だ。

国際交流・海外大学との提携を進めるワケ

 情報社会が進むほど、日本と海外の垣根がなくなる。同校は、「世界は外にあるものではなく、ここが世界だ」をスローガンに、留学生の受け入れと海外留学に力を入れる「多文化交流プログラム」を展開する。

 たとえば今年度はインドネシアの2つの高校から3日間、それぞれ約20人ずつの生徒を受け入れる。一校はイスラム系の共学校で、もう一校はカトリック系の女子高だ。中高全体で言語や宗教など文化の違いを体験する。来年度からは豪州・パースの名門校への約2週間の留学を予定(中高希望者)。また、在校生や教職員の各家庭でのホストファミリーの立候補、登録を募る計画だ。

海外大学への門戸を開く

 全米ハイクラス18大学への推薦入学が100%保証される「デュアル・ディプロマ・プログラム」も導入する。履正社に通いながら放課後に自宅でオンライン授業プログラムを進め、修了すれば卒業時に米国の高卒証書が授与される。国内大学の総合型選抜入試でも有利になり、帰国子女枠での受験も可能で進路の選択肢が増える。

 さらに、マレーシア6大学の指定校推薦入学枠を獲得。各大学3人ずつ計18人分。同国は学費が日本とほぼ変わらず、教育水準が非常に高いことで注目を集めている。加えて、同国経由でイギリスなどへの留学の道も開ける。

 また、オーストラリアのトップ校、ニューサウスウェールズ大学(UNSW)の大学進学準備コースのUNSW京都キャンパスと提携。履正社卒業後、9カ月間の同コースを修了することで入学が100%保証される。通常は現地で約1年間、同様のコースを学ぶ必要があるが、国内でそれが可能となる。さらに履正社卒業生は130万円(1年間のみ)の学費免除があるのも魅力の一つだ。

 今年の中学受験(全日程)で総志願者が130%超(伸び率は大阪の私学で1位)となった同校。広報担当者は「今後も生徒を力強く支援する取り組みを加速していきたい」と意気込んでいる。

■履正社中学校・高等学校/豊中市長興寺南4-3-19/電話06(6864)0456
https://riseisha.ed.jp/