関西だけ!「無印」で「河内ぶどうシロップ」数量限定販売

 無印良品を展開する良品計画(東京都文京区)は、食品ロス削減を目指し、大阪府のカタシモワインフード(大阪府柏原市)でワインやぶどうジュースを製造する際に発生し、廃棄となる澱(おり)を活用してつくった「河内ぶどうシロップ」を数量限定で販売する。
 3月14日から関西の無印良品の11店舗限定、750円(税込)で販売する。

地域に根差した商品づくり

 良品企画は、店舗が各地域のコミュニティーセンターとしての役割を持って、地域の住民住民や自治体と連携し、地産地消の推進や雇用創出、まちづくりなど地域活性化に寄与することを目指した活動を行っている。

 2021年9月から、地域に根差した取り組みを推進する組織として地域事業部を設置。活動の一つとして地域の生産者や加工会社と協力して独自の商品を開発している。

 これまでも、活用されず廃棄されていた和歌山県のあら川の桃の種や皮から抽出したエキスを活用したシロップ、難波ねぎや泉州黄玉葱など近畿地方の伝統野菜を使った商品などを地元の生産者や加工会社と共に開発・販売してきた。

伝統を守りながら、地域課題に向き合う

 カタシモワインフードが運営するカタシモワイナリーは、100年以上前から大阪でワイン造りを行っており、日本酒や味噌、酢などを作る技術を応用した海外とは異なる独自の方法でワイン醸造を始めた伝統ある地元のワイナリー。

 除草剤を使用せず減農薬に取り組み、可能な限り有機肥料を使用した環境に配慮した栽培を行っているほか、耕作放棄地を買い取ってぶどう畑にし、耕作放棄地で作ったワインを開発するなど、地域課題への取り組みを行う。

 両社ともに地域活性化を目指していることなどに共感し、今回の商品共同開発に至った。

澱(おり)を活用し、芳醇な味わいに

 商品に使用している澱はぶどうの固形分や酵母、酒石が沈殿したもの。澱(おり)にはワイン酵母が含まれているため、うまみやコクが強く、酵母の香りをほのかに感じられるシロップに仕上がっている。