2月22日は「ニャン、ニャン、ニャン」で【猫の日】。伝統的日本画技法を用い、強烈な個性を放つネコたちを描き続ける日本画家、溝口まりあ(31)の個展「誇り高き猫たち」が27日まで、大阪・梅田の阪神梅田本店8階ハローカルチャー1で開かれている。入場無料。
東京出身の溝口は幼い頃から動物や昆虫などの生き物が大好き。高校時代に美術部長を務め、伊藤若冲の名画「群鶏図」を鑑賞し大感激。日本画を生涯のテーマとして専攻することを決意し、女子美大へ進学。さらに同大学院日本画研究領域で、和紙に岩絵の具、金箔などを用いた伝統技法を学んだ。
幼い頃からリューという名のネコと15年間共に育った。今は雷電(オス4歳)と金時(同1歳)の2匹のネコがパートナー。「私の絵のモデルは、ちょっとひねくれたネコが多いのですが、表情部分は亡くなったリューくんのイメージ。体の動きは雷電と金時をスケッチして参考にしています」
画材は主に墨、金箔、金箔から作った金泥と呼ばれる絵の具を用い、豊富な色使いは顔料の一種である自然の鉱石などを砕いた岩絵の具で着色。「特に大切にしているのは眼の表情。リラックスしている時のネコの眼が好き。ネコは人に媚(こ)びないですから、鋭い目つきでも根は優しく誇り高い」と話し、金色に輝く眼力の描き方に最も神経を使うという。
今回は新作を中心に30点を展示。新たに木製パネルに和紙を張り、アクリル絵の具で描いた卓上に飾れるサイズの作品も手がけた。「日本画は奥が深い。アクリル絵の具で日本画の風合いが出せる事に気付きました」と新たな発見に楽しそうだ。
「猫の日の記念に、ネコ好きの方はぜひ」と呼びかけ。全品、購入可能で個展終了後に引き渡される。
(畑山博史)