巷でよく耳にする国債とは「債券」の一種。ほかにも地方債、社債、外国債券がある。債券は大雑把にいうと「私はあなたにお金を借りてますよ」という文書(借用証書)のこと。債権者(貸し手)としての立場、つまりお金を返してもらう権利を、いつでも他人に譲渡できる有価証券だから、株式と同じように市場で売買ができる。
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株式も債券も、発行体(国や企業など)が投資家からお金を調達する(借りる)もの。大きな違いは、株式は永久に返済しなくてよく、債券は返済義務、返済期限(償還期限)がある。例えば、個人向け国債(3年・5年・10年)というように、前もって満期日と利率を決めて購入ができる。
期限がある債券は、「満期」となる償還日に「元本」が投資家に払い戻される。満期までの間に利金(利息)を受け取ることができる「利付債」と、利息はないが安く買える「割引債(ゼロクーポン債)」というものがある。利率は10年もの、20年もの、30年ものと償還期限が長いものほど高くなる(長期であるほどリスクが高まるため)。
一般的に株式よりローリスクローリターンと言われるが、発行体の倒産リスクや、財政状況の悪化で支払いが滞るリスクはある。例えば、先進国の国債はデフフォルト(債務不履行)などのリスクが少ない分、利率は低い。一方、新興国はこの逆のケースが多い。
ちなみに、あるベンチャー企業が資金を調達する場合、銀行借入の「融資」や、「社債」を発行する場合は、返済義務があり負債となるが、投資家(ベンチャーキャピタルなど)から「出資」してもらう場合は返済の義務はなく、資産となる。