寝たばこ火災防止へ西成で啓発活動 TIOJ、ダルビッシュ翔さんらの炊き出しと連携

 寝たばこによる火災を防ごうと、一般社団法人日本たばこ協会(TIOJ)は11月5日、大阪市西成区の三角公園(萩之茶屋南公園)で啓発活動を行った。同所で毎週木曜日に炊き出しを続けるダルビッシュ翔さん(37)らのグループ「大阪租界」と連携し、来場者に火の取り扱いへの注意を呼び掛けた。

炊き出しに訪れた人に啓発グッズを手渡し、寝たばこによる火災への注意を呼び掛けた(11月5日、大阪市西成区の三角公園)

 大阪租界による炊き出しは今回で通算270回目。2021年から5年以上にわたり活動を続けている。当日は、TIOJのスタッフ2人と大阪租界のメンバーらが、炊き出しに並ぶ人たちに「寝タバコしないようにね」と声を掛けながら、300人を超える人にクリームシチューを提供。〝ストップ!寝たばこ〟と記した黄色い手袋や菓子、ティッシュ、チラシなども配布した。また、TIOJから大阪租界に「防炎寝具」26点を寄贈した。

大阪租界のメンバーらが大鍋で調理したクリームシチューを来場者に振る舞った(11月5日、大阪市西成区の三角公園)

 同協会が大阪で啓発活動に力を入れる背景には、たばこが原因となる火災の多さがある。2025年の火災原因に占めるたばこの割合は、全国で約8・5%だったのに対し、大阪市は約16・4%、西成区は約28・9%に上った。さらに、消防庁提供のデータによると、大阪府は人口当たりのたばこ火災発生件数が全国2位という。特に50代以上の単身男性喫煙者は寝たばこによる火災のリスクが高いとされ、日常的に支援を必要とする人たちが集まる炊き出しの場を、直接注意を呼び掛ける機会として活用した。

 今回の大阪での取り組みは、大阪租界との協働に加え、来週には大阪市北区を拠点に、ホームレスの人たちへの食事提供から就労後の定着支援までを行うNPO法人Homedoorとも連携する。

 会場には、人気漫画「めぞん一刻」のキャラクター、音無響子さんの等身大バナーも設置した。同協会は、同作が1980年代に人気を集め、啓発活動の主な対象とする50代以上の男性にも認知度が高いことから、2014年度から響子さんを起用している。

寝たばこ火災防止キャンペーンの啓発バナーの横で、啓発セットを手にするダルビッシュ翔さん(11月5日、大阪市西成区の三角公園)

 同協会は2026年度、全国の消防本部やたばこ販売店などを通じて、チラシやティッシュ、手袋など約100万個の啓発ツールを配布する。特に、着火しにくく、着火後も燃え広がりにくい加工を施した「防炎寝具」のキャンペーンも行う。プレゼント企画のほか、購入時に利用できる30%割引クーポンも用意し、住宅火災の予防につなげる。

 大阪租界のダルビッシュ翔さんは「季節の変わり目は火事への注意が必要。炊き出しに来る人たちにも、火の用心、特に寝たばこをしないよう伝えていきたい」と話す。TIOJとの連携は今回で3回目。参加者が声をそろえて呼び掛けることで、火の取り扱いへの意識も高まっていると感じているという。

 また、大阪市内で屋外喫煙の規制が進む一方、喫煙所の整備も必要だと指摘する。「禁煙を進めるのであれば、喫煙所も整備しなければ、隠れて吸う人が出てくる」。西成周辺でも三角公園をはじめ、人が集まる場所に複数の喫煙所を設ける必要があるとの考えを示した。

 11月9~15日は、総務省消防庁が定める秋季全国火災予防運動の期間。空気が乾燥し、火災への注意が必要となる季節を前に、身近な場所から防火意識を高める取り組みが進んでいる。

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