「高市相場」1年 日経平均1.5倍、長期金利3%超 円安の構造要因を探る

 2025年10月4日の自民党総裁選で高市早苗氏が選出されてから1年。日経平均株価は約1.5倍に上昇する一方、長期金利は約30年ぶりに3%を超え、円安も進んだ。積極財政や金融緩和への警戒が指摘されてきたが、円安の背景には日本経済の構造問題もある。

 2025年10月3日と2026年10月2日を比べると、日経平均株価は4万5769円から6万8309円に上昇。ドル円相場は147円台から157円台へ円安が進み、新発10年物国債利回りも1.6%台から3%超に上昇した。

 市場では、高市政権の積極財政や、金融緩和を重視するリフレ派の影響が注目されてきた。一方、日銀は政権発足後の約1年間で3回の利上げを実施し、政策金利は0.50%から1.25%に上昇。実際には金融政策の正常化も進んでいる。

 高市首相は2026年10月5日の所信表明演説で、経済や税収、金利、利払い費、市場の状況などを踏まえ、通年の国債発行額を適切に管理する方針を示した。消費税減税の財源については、7月30日の会見で特例公債(赤字国債)に頼らず確保する考えを表明している。財政への懸念が残る一方、政府の市場への配慮も見極める必要がある。

金利差だけでは説明できない円安

 一般的に日米金利差の縮小は円高要因だが、円安は続いている。国際通貨基金(IMF)は2026年4月の対日審査報告書で、2025年半ば以降、日米金利差が縮小したにもかかわらず円安が進んだと分析。金利差などでは説明できない円相場の変動が円先物市場のポジションと連動していたほか、日本国債の利回りに財政リスクが織り込まれている可能性にも言及していた。

 ただ、円安を政策要因だけで説明することはできない。中東情勢などを背景に原油価格の高止まりが続けば、海外に依存するエネルギーの輸入額が膨らみ、貿易収支の悪化を通じて円売り圧力につながる可能性がある。さらに、クラウドサービスやインターネット広告など、海外デジタルサービスへの支払いも拡大傾向にあり、こうした構造的な外貨需要にも目を向ける必要がある。 

 「高市相場」の1年は、株高と同時に円安、金利上昇が進む日本経済の姿を映し出した。財政や金融政策への警戒だけでなく、エネルギー輸入やデジタル関連の海外支払いなど、構造的な外貨需要にも目を向ける必要がある。

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