上方落語協会の定席寄席「天満天神繁昌亭」の開場20周年記念特別公演(9月15~23日)概要発表会見が行われ、実行委員長の六代桂文枝・協会最高顧問は連日16人が高座に上がり5時間近い長丁場ながら前売り料金3000円(当日3500円)のお得イベントにすることを発表した。

文枝は「20年前の開場時は連日超満員。ところがコロナ禍後、なかなか昼席が満員にならないのは気がかり。東京の寄席が〝上演時間が長過ぎてお客さんが来ない〟と短縮したら逆に客足が落ちた。それなら今回の周年公演は逆に2部制を止め、通しの座席指定方式にしました」と説明。

昼下がりから夕刻までのロングランで入退場OKにし食事やお茶での出入りも認める予定。入場者には20周年記念グッズも配られることになっており、文枝は「まだまだ暑い時期です。繁昌亭で涼んで下さい。途中に外のお店で休憩しても席で居眠りしてもらってもOK。再入場できます」と、さりげなく出演者にプレッシャーを掛ける一幕も。

連日2度の中入り休憩を挟み、トリの出演者は順に文枝・南光・文珍・米團治・八方・春團治・仁智・福笑・福團治の重鎮9人が並び、協会女性部長の露の都は「指定席ですから何としても9日間すべて満席に」と意気込む。20年前の開場時盛況を知る文枝からは「まずは繁昌亭を訪れる習慣性を多くのファンに取り戻してもらおう」との思惑も透ける。
前日の14日朝には、繁昌亭支援を続ける天神橋筋商店街で初代春團治ゆかりの赤い人力車を用いての「お練り」を実施。天神橋筋六丁目から約20分を掛け繁昌亭まで移動。文枝のほか協会相談役の桂春團治と桂福團治が途中で乗り替わる。繁昌亭到着後、新調した緞帳を関係者に披露、今年の若手噺家グランプリ優勝の桂三実が記念落語を演じる。
周年公演初日15日の記念セレモニーは開場前に鏡開きをし、来場者らに振る舞い酒を配る。

笑福亭仁智・協会会長は「江戸落語は定席寄席が古くからあり地位が確立しているが、上方は笑いといえばまず漫才と新喜劇。20年前に落語の繁昌亭ができ、演者が自分の高座での演目を終わるごとに記載する方式も復活した。200人以下だった協会員も今では270人に増え競争意識も増している。公益財団法人である協会は収益を挙げることはできないが、今回の繁昌亭周年改修は随分お金も掛かりました。できれば出演者のギャラにも還元してやりたいので、ぜひホームグラウンドを連日満員にして頂きたい」と力を込めた。
(畑山博史)
