高齢夫婦のみで暮らす世帯が増加傾向を続ける中、万が一の際に「まず何をすればいいのか分からない」という不安を抱える人は少なくない。
相談で多いのが、子どもが遠方に住んでいるなどの理由から、「できるだけ負担を掛けたくない」という思いだ。自分の死後、知らせだけは伝えたいものの、葬儀については特に条件を設けず、「あとは頼むで」と一言残すケースもある。しかし同社によると、これが最も判断に迷う状況だという。
伝える側は「子どもの好きにしていい」「何もしなくていい」という善意のつもりでも、受け取る側は何もしないわけにはいかず、何から手を付ければいいのか分からなくなる。その結果、よかれと思って選んだことが、かえって手間や負担を増やすことも少なくない。こうした状態で葬儀業者に依頼すると、十分な判断材料がないまま、業者の言われるがままに進み、予算面で想定以上の負担が生じるケースもあるという。
同社では、相談者に「何を話せばいいのか分からない」「何を託せばいいのか分からない」といった率直な思いを、まず口に出してもらうことを重視している。言葉にすることで自然と自身の考えがまとまるという。
例えば、昔から付き合いのある寺院や菩提寺があれば、それを伝えておくだけでも大きな助けになる。子どもは親の交友関係や信仰を知らないことが多く、何も分からないまま業者に勧められた寺院を選んでしまうケースもある。墓に入るのか、永代供養にするのかといった点も同様で、判断材料がないまま進めると、結果的に費用が高額になることもある。
エンディングノートや遺言など、伝え方はさまざまだが、大切なのは「何が必要で、何が不要なのか」を明確にすることだ。それにより予算の許容範囲も見え、自分たちが思い描いていた内容とのギャップが小さいほど、納得度は高まる。
日頃寄せられる問い合わせで最も多いのは、「何をすればいいのか分からない」という声で、次いで予算、場所が続く。「何を聞けばいいのか分からない」と感じるのは、誰もが同じだ。そうした不安を抱えたままにせず、早めに相談することが、本人にとっても家族にとっても負担を減らす第一歩となりそうだ。

<取材協力>エンディングライフサポート葬祭/大阪市阿倍野区阿倍野筋5丁目13−10/電話(0120)805787
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