腰痛に悩む人は年々増えている。厚生労働省「国民生活基礎調査(2022年)」によると、腰痛は常に自覚症状の上位に挙げられる身近な不調の一つである。
筆者自身も約10年にわたり腰痛と付き合ってきた一人だ。40代に入る頃から歩行時の違和感を覚えるようになり、医療機関で「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」や「側弯症(そくわんしょう)」と診断を受けた経験がある。電気治療や鍼灸、投薬などを行う中で、ある整体院で聞いた腰痛に対する考え方が、自身の体の捉え方を見直すきっかけとなった。

腰痛は「腰だけの問題」ではないという考え方
整体院Karada+(大阪市福島区)の嶋田薫温院長は、慢性的な腰痛について「腰部だけでなく、体の使い方や筋肉の働き方が関係していると考えられるケースも多い」と話す。特に着目しているのが、体を支えるインナーマッスルをはじめとした筋肉が十分に使われていない状態である。こうした筋肉の働きが弱まることで姿勢が崩れ、結果として腰部に負担がかかりやすくなる可能性があるという。「痛みのある部位のみに注目するのではなく、全身のバランスに目を向けることも一つの視点である」と嶋田院長は説明する。

姿勢や歩き方に潜む「無意識の負担」
指導を受ける中で意識するようになったのが、日常動作の〝癖〟。立つ際の反り腰、座位での体の傾き、歩行時の足の運び方など、普段は意識しにくい動作が積み重なり、腰への負担につながっている可能性があるという。
同院では、足指や足首といった末端の動きにも着目し、体の使い方を見直すためのサポートを行っている。嶋田院長は「姿勢や歩き方を意識することで、体への負担感の捉え方が変わると感じる人もいる」と話す。

「筋トレ」よりも「体の使い方」
腰痛対策として筋力トレーニングを行う人も多いが、嶋田院長は「大切なのは量ではなく、どのように体を使っているかである」と指摘する。「鍛えること自体が目的ではなく、普段使われにくい筋肉を意識して動かすことが重要だ。動作のフォームによって、使われる筋肉は大きく異なる」そうだ。股関節や体幹周りの動きを意識することで、体の使い方を見直すきっかけになる場合もあるという。
腰痛を生活習慣として捉える視点
嶋田院長が強調するのが、「腰痛は日々の姿勢や動作の積み重ねと無関係ではない」という考え方。「現在の体の状態は、これまでの生活習慣の延長線上にある。急激な変化を求めるのではなく、無理のない範囲で意識を変えていくことが大切だ」と話す。
腰痛を一つの症状として捉えるだけでなく、日常生活を振り返るきっかけとする視点は、慢性的な不調に向き合う際の参考になりそうだ。
■整体院karada⁺/大阪市福島区福島1-5-12/電話090(1157)8728/日祝休診
