〝アカンかったら金返す〟 大阪・鶴橋の新名物「ポン酢自販機」

ポン酢大は365㍉㍑1500円(右)。小は200㍉㍑850円=提供写真

 大阪・鶴橋の街角に、少し変わった自動販売機がある。「アカンかったら金返す」と記されたその自販機を運営するのは、アッパーコーポレーションの高柄烈(コウ・ヘイレツ)会長だ。
 鶴橋で育った高さんは、21年間勤めた銀行員生活を捨て、50歳で念願のふぐ料理店を開業した。夢への道は平坦ではなく、当初の事業失敗で苦境に立たされたが、アルバイトで生計を立てながら調理師免許を取得した苦労人でもある。店で提供していた自家製ポン酢は和歌山の高級醤油として知られる湯浅醤油をベースに厳選した鰹節や昆布の旨味を加え、スダチやユズの香りを絶妙に調和させた。このこだわりの味は試行錯誤の末に完成させた自信作だ。
 自販機での販売というユニークな手法は、酒屋などで不用になった機材を再利用したいという、高さんの「もったいない」という思いから始まった。現在は鶴橋周辺など計7台が稼働し、地域の新たな風景となっている。
 「金のぽんずは『幸せを呼ぶぽんず』。家族の団らんに役立ててほしい」と語る高さん。回り道をしたからこそたどり着いたこだわりの一滴には、客を喜ばせたいという温かな情熱が凝縮されている。(長澤拓)

不用になった筐体を再活用した「ポン酢自販機」の前で、「金のぽんず」を手に笑顔を見せる高さん=編集部撮影
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