
歩いた歩数分が児童虐待防止に取り組む団体に寄付される啓発イベント「ORANGE WALK (オレンジウォーク)2025」が児童虐待防止推進月間の11月1〜30日に実施される。昨年は全国で4万人超が参加した国内最大級の児童福祉イベント。今年は過去最高の5万人参加を目標にしている。主催は認定NPO法人日本こども支援協会(大阪市天王寺区)。
同協会の代表理事、岩朝しのぶさんは「小学3年で歯が2本しかなくなってしまった子、5歳でハンバーグやカレーを食べたことのない子がいる。悲劇の根本にあるのは、すべて虐待」と現場の深刻さを訴える。こうした虐待の連鎖を断つには「傷つく前の予防が不可欠。地域で見守る大人の目を増やす必要がある」と強調する。
同イベントはスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、期間中に計測された参加者の歩数を協賛企業からの寄付金に変える仕組み。歩数分の寄付は児童虐待防止に取り組む全国22団体への支援金に充てられ、無料で誰もが参加できる新しい社会貢献の形として注目を集めている。「各地の団体が資金やマンパワー不足に悩んでいる。参加者の熱意を現場の支援団体に届ける『血流』にしたい」と岩朝さん。
同イベントには、Yogibo(ヨギボー)のファウンダー、木村誠司さんが強く共鳴。「虐待を防ぐ里親環境は日本に普及するべき」と全面支援している。岩朝さんは「虐待ゼロの未来をデザインするため、20〜30年後の社会を変えるため、みなさんの一歩をぜひ力にしてほしい」と呼びかけている。
オレンジウォークは2022年に始まり、これまでに8万7000人以上が参加した。
