「芸術は生命を再生する」 伊東マンショのアンドロイド展示が象徴する日伊の絆

 イタリアウィークに合わせて登場した伊東マンショのアンドロイド像は、イタリアパビリオンの館内に入ってすぐのところに14日まで展示されていた。

 戦国期に日本からローマへ渡った少年使節団の代表格として知られる伊東マンショの姿を現代技術で再現したもので、来館者は足を止めて見入っていた。

 この展示に関して、伊東マンショのアンドロイドロボットを制作した大阪大学教授の石黒浩氏とイタリアパビリオンの担当者などが揃ってパネルディスカッションを実施。アンドロイド技術の未来像や、人間が記憶をアンドロイドに移行して「死を拒否するかどうか」という根源的なテーマについて意見を交わした。最先端技術と哲学的課題が交差する議論は、来場者に深い印象を与えた。

 その後、石黒氏らパビリオン関係者らが、伊東マンショのアンドロイドロボットの前に勢揃いして記念撮影に収まった。

 以前から石黒氏が主導する「Future of Life」シグネチャーパビリオンとイタリアパビリオンは以前から交流を続けており、その縁から今万博でのアンドロイドロボット展示が企画された。イタリアウィークに合わせて実現した公開は、両パビリオンの協力関係を象徴する催しとなった。

 伊東マンショは、日本とイタリアの架け橋となった人物として選ばれたもので、両国の歴史を背負う存在を最新のテクノロジーによって現代に再現したとの説明があった。

 まさに、イタリアパビリオンのテーマ「芸術は生命を再生する」に添った形だ。

 マンショのアンドロイドはホームシックなので、9月14日で退場し、お家へ帰るとのこと。イタリアらしいジョークで締めくくられた。

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