
あべのハルカス美術館で「深堀隆介展 水面のゆらぎの中へ」が7月5日から9月7日まで開催されている。同展は、6章構成で、深作のアーティスト人生を時代ごとに表現している。初期の作品から最新のインスタレーション作品までそろっており、この規模の大型展示を大阪で開催するのは初めて。
深掘は2000年から金魚にフォーカスし、02年には2・5次元ペインティングという特殊な技法を編み出した。この技法によりひれの影や金魚の内臓まで透けて見せることが出来る。「見えないものを見えるようにする」というところに拘ったからこそ生み出された技法だ。
かつて樹脂を扱う会社で働いていた経験から、金魚と樹脂をミックスするアイデアが生まれた。升の中に樹脂を流し込み、その上に水性絵の具で絵を描き、その上にまた樹脂を流し込み絵を描く。これを繰り返して何層にも重ねることで、上から見るとまるで生きているかのような金魚が出来上がる。
深堀はその層の表面を水面と捉えている。「樹脂に閉じ込めた絵には自分ですら触れなくなる。しかし、その水面を境に、自分たちの世界と魚の世界が区別されている」と考えているという。 (岡野健将)

「深堀隆介展 水面のゆらぎの中へ」
■会 場/あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F)
■開 館/火~金:午前10時~午後8時、 月土日祝:午前10時~午後6時(入館は閉館30分前まで)
■観覧料/一般/1,600円、大高生/1,200円、中小生/500円(税込)
問い合わせ:電話06(4399)9050(あべのハルカス美術館)