大阪国際大学と週刊大阪日日新聞が協働し、大学生たちが新聞記者の仕事を実践する「PBL演習Ⅲ」(担当教員:尾添侑太准教授)を同大学で実施。学生15人が7グループに分かれ、自分たちで見つけたテーマについて、人と会って取材し、記事を作成した。今回は、守口市が不登校問題に対して取り組む「学生フレンド」について取材した「友として学校復帰と自立支援」を紹介する。
近年注目の「不登校問題」。対策の一つとして、大阪府守口市に「学生フレンド」という活動がある。学校に行きたくても行けない小・中学校の子どもたちに対し大学生らのボランティアが週に1回程度家庭訪問などを行い、一緒に遊んだり勉強したり会話や相談の相手をしながら「よき友」として心を和らげ、学校復帰と社会的自立への援助を行う。その活動を紹介する。 (埋橋結子、長尾小奈実)
不登校に取り組む守口市「学生フレンド」

同市では、保育料無償化や18歳までの医療費助成など子育て支援が充実。地域の子育て支援拠点や相談窓口も整備され、妊娠期から就学前、さらに小中学校就学後まで一貫したサポートで子育てしやすい環境作りに取り組んでいる。
大阪府東部では隣接の門真市、寝屋川市でも同様に大学生らが週1回程度家庭訪問などを行う活動を実施。同じ北河内地区の枚方市、四條畷市、大東市では、教育支援センターに学生を学習支援員として派遣し子どもたちの学習をサポートするなど、同一地域の他市でも学生ボランティアの不登校支援が盛ん。
令和6年度の守口市は不登校児童・生徒の人数が小学校で170人、中学校240人と過去最多。全国平均や府内他自治体と比べても高率で、コロナ禍時期と比べ増加傾向にある。守口市教育センターの担当者は「学生フレンドの効果はすぐに数字には表れにくいが、1対1の関わりがもたらす変化は支援する学生や学校関係者の目にも確かな手ごたえとして映っている」と感じている。
仕組みはこうだ。まず希望する大学生は、守口市教育センターに登録し、学校からの申請を受け性別や緊急度などを加味し市内の小・中学校に派遣される。ボランティア、教育や社会活動に関心を持つ者、自身も不登校経験を持つ者などがメンバーだ。大学、学部を問わず様々な学生が活動しており、令和6年度には66人が登録し、72人の児童・生徒をサポートした。継続的に関わることで「自分を必要としてくれている」「成長を間近で感じられる」ことが学生側のやりがいとなる。教員とは異なりフラットで親しみやすい距離感で接することで子どもたちが心を開き、互いの信頼関係が少しずつ築かれていく。学生側にとっても、自身の成長機会となっている。
学生が「学校」というリアルな教育現場で、不登校の生徒・児童と直接関わる経験は極めて貴重。活動する中で「支援する側の困難」「共感的に寄り添う難しさ」に気付く事も多い。それでも口調やテンションなど試行錯誤を重ね、徐々に心を開いてくれ学校以外の話をしてくれるようになるといった子どもたちの反応や変化を見守り、向き合い続けていくことは簡単ではない。だからこそこの活動によって得られる学びは大きい。
生徒・児童にとっても、頼れる存在が校内に居ることが確かな心の支えとなり、学校に対するモチベーション向上にも良い影響を与えている。
すべてのケースで「学校に行く回数が増えた」「笑顔が増えた」「集団になじめる瞬間ができた」「学校に行こうとする姿勢が見られた」など生徒・児童の気持ちや行動に前向きな変化が見られた。成績を付ける立場にない、つまり利害関係のない〝お兄ちゃんやお姉ちゃん〟的存在で年齢も近い第三者とコミュニケーションを取ることは、彼ら彼女らが自らのペースで前向きな気持ちを取り戻し、将来について考えるきっかけとなる。
文科省によると不登校の生徒・児童への支援策は「学校に行く」という結果のみが目標ではなく、生徒・児童が自らの進路を主体的に捉え、社会的自立を目指すことが基本。現在では1人1人の状況や本人希望に寄り添った柔軟な支援が求められており、ICTを活用した学習支援、フリースクールなどの民間施設などを活用した取り組みで社会的自立を目指すなど日々進化を遂げている。