大阪・豊中市の履正社中学校は11月1日、校内グラウンドを会場に、関西最大級となる天体観測イベント「STAR WATCHING 2025」を一般公開する。
地域住民に天体観測の魅力を広く体験してもらおうと、同校では14年前から毎年企画しており、近隣の小学生が家族と参加したり、高齢者が夫婦で訪れたりするなど、豊中市の名物イベントに成長している。今年も約500人の一般参加者を募集している。

例年20~30台の大型天体望遠鏡を設置し、来場者は土星の環や月のクレーターの観察を楽しめる。また、上空を通過する人工衛星や国際宇宙ステーションの位置を軌道計算に基づきリアルタイムで解説するプログラムも用意される。
主催の平賀英児教頭は「今年はまれに見る天体現象の当たり年です」と話す。「まず1つめは、15年に一度しか起こらない『土星の輪の消失現象』です。地球が真横から見る位置に来るため、土星の輪が見えなくなります。宇宙規模で言うと『紙のように薄い土星の輪』を実感できる貴重な体験になるでしょう」
さらに今年は、まれな彗星現象も観察できるという。地球に接近中の「レモン彗星」は、イベント当日、西の空に2本の尾をひいた不思議な姿を見せる見込みである。次にこの彗星が見られるのはおよそ1000年後とされ、一生に一度の出会いが期待されている。
イベントは同校の理科部(部員70人)が主体となり、全教員がバックアップする形で実施される。また、14年前の開始当時から天文愛好家団体「星くらぶM57」と神戸大学天文研究会の大学生たちも協力し、自慢の望遠鏡を持ち寄って参加している。同校はこれまで理科入試でも星に関する問題を多く出題しており、理科・天文教育が特色の一つとなっている。今回のイベントは、そうした学びの成果を地域に開放する機会でもある。
平賀教頭は「自分の住んでいる街から、自分の目で星を見る機会をつくりたい。星空を通して科学の楽しさも伝えられれば」と語った。
詳細は、同校ホームページ(https://riseisha.ed.jp/)または電話(06-6864-0456)へ。