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福祉職を子どもたちがなりたい職業ランキング1位にしたい!

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「福祉のヨアケ」代表取締役 𦚰坂 武志さん

 「福祉職を子どもたちがなりたい職業ランキング1位にする」こう話すのは京都府亀岡市を拠点に社会福祉のマネジメントや人材育成を行う「福祉のヨアケ」の代表、𦚰坂武志さん。このほど、同業界のコンサルタントとして京都から大阪へ活動エリアを拡げている。

 𦚰坂さんは学生時代から福祉科に通い、そのままデイサービス施設に就職。その後、施設長として新規事業を立ち上げ、退職者を出さずに目標売上を達成するなど施設運営のノウハウを積み重ねていった。

 しかし、業界全体が抱えている課題やニーズのアンケートを約50の事業所に聞くと、最も多かったのが「人材不足」(30・3%)と、「コミュニケーション不足」(30・3%)で、次いで「リーダーの育成不足」(21・2%)という結果になった(同社調べ)。𦚰坂さん自身も現場での価値観のぶつかり合いなど、人間関係で苦労してきた。

 そんな中、𦚰坂さんの娘が小児がんになり人生・仕事観が180度変わった。仕事で疲れて帰ったときに「パパちゃん抱っこ!」とせがむ娘をスルーしたこともあり、そんな些細なやりとりの中でも「もっと子どもにしてやれることがあったんじゃないか」と過去を振り返り後悔したという。そのときに「今という時間」「人の可能性」を大切にしたいという思いが強くなった。

 以前、高校で開かれた合同職業説明会で、𦚰坂さんの社会福祉ブースには参加生徒の1割程度しか集まらず、この状況に業界の人気のなさを痛感したという。

 また、生徒たちに自分が高齢者になって誰かの介護が必要になったとき、「自宅か施設か」を聞くと、将来の自分の子どもに迷惑をかけたくないからと「施設」を選ぶ大人びた生徒の意見がある一方で、「施設」は昨今の介護業界のネガティブニュースで「虐待されるかもしれないから怖い」という声を聞いて危機感を強めた。

 「人を変えるにはまずは自分が変わること」被介護者の食事介助や排泄物の交換など徐々に慣れてくる作業に対する気持ちなど、「なぜ、自分はこの業界に入ったのか?」「何のためにしているのか」といった目的を再認識させ、職場の仲間づくりが潤滑になるメソッドを作った。

 自身の職場での経験と、娘に気づかされた人生観をもとに、「社会福祉の仕事は楽しく、誇りも持ってできる仕事だ」を普及していきたいと熱く語っている。

𦚰坂さんの「自立型リーダーのためのメンタリングワークショップ」例
▼職業間のコミュニケーション向上
▼上下職員間の風通し良い職場環境
▼業務の効率化
▼階層別研修の実施
▼個人の出番作り

■福祉のヨアケ/京都府亀岡市古世町西内坪14-8
https://fukushinoyoake.com