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草間彌生の世界を堪能、初の大規模な版画展を開催

 草間彌生による初の大規模な版画展「松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」が4月25日~9月7日の間、京都市京セラ美術館(同市)で開催している。前・後期の2回に分けて全330点の作品を展示し、作品は前・後期で全て入れ替わる。

 会場内は6つのセクションに分けられていて、草間さんの生死感や生き様が表現した作品を集めた「わたしのお気に入り」、ニューヨーク時代から新たな作品制作の方法を編み出して表現した「輝きの世界」、草間さんの代表的作品の南瓜(カボチャ)にフォーカスした作品を集めた「愛すべき南瓜たち」、枠内に収まらない無限の世界を表現した「境界なきイメージ」、エッジングを利用したモノクローム作品を集めた「単色のメッセージ」、そして、2004年から約4年をかけて制作されたシリーズで、黒色のマーカーペンで100号のキャンバスに描いた50点を原画としたシルクスクリーン作品を集めた「愛はとこしえ」と、テーマごとに楽しめる。

 シルクスクリーン、エッチング、木版画、ラメなど様々な版画技法を網羅した展覧会となっており、江戸時代の浮世絵の制作技術を継承する版元と前衛芸術の「共創」で実現した富士山の木版画連作は必見の大作。草間さんが描いた元になる巨大な富士山から版画の富士山を色違いで描き出していて、全部で7色の富士山がある。

 代表作に描かれる南瓜は、周りにある畑でたくさんの南瓜があったため、そこからインスピレーションを得て、南瓜のその太っ腹で愛らしい姿に惹かれ、幾度も描いたという。

 図録の表紙は出品作品「南瓜」と同様の4色展開で好きな色を選べる様になっている。入場料は当日券で一般 2,200円、大学・高校生 1,400円、中・小学生600円、ペアチケット4,000円。未就学児は無料(保護者同伴)。

■「松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」/会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ/時間 10:00~18:00(最終入場は17:30まで)/月曜休館(ただし4/28、5/5、7/21、8/11は開館)
展覧会公式サイト:https://yayoikusamahanga.exhibit.jp/