
自らの考えを主張できる良識ある主権者に成長してもらおうと、「第6回 常翔学園中学校 模擬選挙」が2月15日、大阪市旭区の同校で、現役の国会議員や大阪府議会議員などを特別講師に迎え、開催された。参加した中学校3年生142人は各政党の特別講師から政策の解説やディスカッションを通して模擬投票を経験し、自らの意思で一票を投じることができる民主主義社会の大切さを学んだ。
同校は6年一貫の総合的な学習の時間を中心に 、キャリア教育「Josho Career-Up Challenge」を展開。模擬選挙は「将来、実社会で活躍できる人材を育成する」という同校の主権者教育の一環として2019年から実施し、今年で6回目を迎えた。
特別講師(登壇順)は、ながさき由美子・社会民主党大阪府連合代表、石川たえ・共産党大阪府議会議員、いさ進一・公明党前衆議院議員、大石あきこ・れいわ新選組衆議院議員(共同代表)、河村たかし・日本保守党衆議院議員(党共同代表)、くすのき好美・日本維新の会大阪府議会議員、中山泰秀・自由民主党前衆議院議員(元防衛・外務副大臣)、尾辻かな子・立憲民主党衆議院議員(党大阪府総支部連合会代表代行)、神谷宗幣・参政党参議院議員(党代表)、玉木雄一郎・国民民主党衆議院議員の10の国政政党。
模擬選挙を前に田代浩和校長が「民主国家の日本では選挙の投票は義務ではなく、国民一人一人の意思に委(ゆだ)ねられています。選挙は大人になって国造りに参加すること。きょうは有名な政治家の先生方が本気で政策を訴えていただきます。皆さんは大いに学んでください」と述べた。続いて、登壇した現役の国会議員や大阪府議会議員らは「この模擬選挙を楽しみに来校しました」と生徒らを前に教育問題を中心に低迷する日本経済の復活、多様性社会の実現、平和外交・国際情勢など自党の施策をパワーポイントなども活用しながらわかりやすく解説、ときには呼び掛けるように自党のマニフェストを情熱込めて訴えた。
本番さながらの熱のこもった政策を各党アピール

各党の演説を聞き終えると、生徒らは気になった政党のブースで直接、特別講師と座談会形式でディスカッション。「サイバー攻撃、AIの対応は?」「アメリカのトランプ大統領との付き合い方は?」「なぜ、日本経済は失速したのか、今後の具体的な経済復活策は?」などと質問を投げかけ、自らの一票をどの候補者(政党)に投ずるかを確認した。
確信を得て投票箱に一票を投じた生徒らは「僕たちの一票が未来の日本を変えると思った」「きょうの模擬選挙の経験を生かして18歳になったら投票に行きたい」などと話した。各党の特別講師からも「投票することは皆さんが望む社会を選ぶこと」「君たちには無限大の可能性がある」「未来を生きる若い人の力は大きい」「個性豊かに自分の能力を発揮してほしい」などと期待する声が送られた。このあと、投票が集計され選挙管理委員会(生徒会、学級代表)から「国民民主党の玉木雄一郎氏が34票を獲得してトップ」などと各候補者(党)の開票結果が発表された。