海の男を歌わせたらピカイチの鳥羽一郎(72)の次男で一昨年末の日本レコード大賞新人賞受賞の歌手、木村徹二(33)が、デビュー3年目に入り2月5日に新曲「雪唄」で初めてカップリングを替えた2タイプのCDを同時発売する。
メインの「雪唄」は過ちを悔いる主人公のメッセージ性が強いバラード歌謡。カップリングはAタイプが温泉を舞台に夫婦愛を歌った「湯の街」、Bタイプが早世した友を思い切々と歌うクラシックな演歌「忘らりょか」で、いずれも作詞・作曲は「竜徹日記」でコンビを組んでいた実兄の木村竜蔵。物語性が高い詞だけに、3作完成後は兄弟と担当プロデューサーらで徹底討議。「〝どれをメインにするか?〟で大激論。僕が歌ったことのないタイプの雪唄がメインに決まりました」と言う。
183㌢85㌔のがっしりした体型。少年時代からスポーツに親しみ、今も筋トレを欠かさない。スポーツマン特有の肺活量の多さを生かした豊かな声量で歌の末尾にフッと歌詞が伸びて転がるのが持ち味。「意識してやっています。メリハリを付けて聞いて頂くためで、その部分のアレンジは兄も僕に任せてくれています。自分でも作詞・作曲するので、詞の持つ意味を強調する効果が出るように考えて」とプロらしい一手間の隠し味。
演歌第7世代の中に食い込んで既に人気はうなぎ登りで全国を飛び回る日々。昨年末のNHK紅白歌合戦に世代を代表する形で新浜レオン(28)が初出場。「もちろん夢はありますが、出るならおやじ(鳥羽)とおじさん(山川豊)との3人で」と話す。今も実演のステージを大切にしており、2月19日㈬昼11時半開演の「大阪発流行歌ライブ」(大阪・アメリカ村、BIGSTEP内BIGCAT)に出演予定。「お客様の前で歌わないと判らない事が多々ある。そして僕のファン以外の方々に生で見聞きして頂き、心に残って応援して下さるように」と細やかだ。
こまめにネット情報発信サイト「X」で日々の活動を報告。その内容は一見やんちゃで自由奔放に見えるが、実は記述内容と掲載写真チェックに2、3時間掛ける日も。「僕らは物心ついてからずっとネット情報が身の回りにある世代。思わぬ記述や写真で周囲の方を傷付けないように注意しています」と。体育会系の見かけよりはるかに実物は繊細で、徐々に大物の片鱗が垣間見えてきた。
(畑山博史)