吉本新喜劇座長の椅子をめぐり、昨春就任の吉田裕座長(45)に対しそれまで共に次期座長の座を競い合っていた清水けんじリーダー(49)が異議を申し立てたバトルは、間寛平GM(75)の裁定で来年1月20日に最終決着を付けることが定例GM会見で決まった。
新喜劇はGMの下に複数の座長制を敷き、新陳代謝を図るため座長を退き一般座員として大所高所から指導に当たらせるケースは多い。現在も池乃めだか、吉田ヒロ、内場勝則、辻本茂雄、川畑泰史らが座員として活動。吉田と清水は〝次期座長〟という位置付けのリーダーとして選ばれた計4人で昨春まで共に活動、吉田だけが座長昇格した経緯がある。
清水は年上で座員歴も吉田より5年先輩にも関わらず昇格は見送られた。収まらない清水は同年で2年目となる座員総選挙結果での見直しを提案。前年の初回で吉田16位、清水26位だったことから、吉田が受けた。
昨年結果で清水は9位へ躍進したが、吉田も新座長ご祝儀相場もあり8位に上がり一蹴。あきらめ切れない清水の挑戦は2年越しで今夏に持ち越され3年目総選挙結果へ。吉田は8位を維持も、清水はファンの後押しで6位となりついに逆転、GMも検討を約束した。
この日決まった方式は、なんばグランド花月で清水が現在リーダーを務める30日まで公演中の新喜劇から。地元関西のMBSテレビで来年1月18日に収録放送されるがその視聴率がこれまで吉田が座長を務めてきた放送回での最高視聴率を上回れば清水の勝ち。清水が新座長となって、吉田が座長から降格となる。
視聴率調査結果を受け1月20日午後7時、新喜劇公式YouTubeで結果が発表予定。気になる数字の目安は「過去のデータから2ケタ10%行けば(勝てる)」と清水。ちなみにこの週はターゲットの吉田座長が一般座員として出演、人気の島田珠代や川畑泰史・前座長も顔をそろえる豪華メンバー。
これまで座長交代の実現性を問われると巧みに言葉を濁してきた吉田だったが、この日のGM会見に司会者として登場。同じく参加した清水から挑発されると最初は笑ってごまかしていたが、寛平GMや島田珠代(54)から「清水の新喜劇、メチャおもろいからなぁ」と責められ、最後は「よし!負けたらホンマに座長を降りますわ!!」と吐き捨てた。
吉田は「ドキドキしてます。こわい」と降格危機にホオをピクピク。結果発表後に吉田が座長で開催する来年1月26日の公演「新入社員 吉田裕」(大阪なんば・YESTHEATER)のポスターが背景の火山が爆発し大炎上していることをGMらに指摘され、指さしながら「自爆してますね、吉本の新入社員へ再就職するか…」と自嘲気味。
吉田は現在予選開催中のピン芸コンテスト「R―1グランプリ2025」の3回戦まで勝ち残り中。だが、来年1月5日予定の3回戦本番は「祇園花月で座長週の出番があるから棄権します」と〝新喜劇一筋〟をアピール。しかし寛平GMから「僕が代わりに座長やったるで!!」とツッコまれ、清水からは「僕が祇園花月の座長やったらえぇだけや!」と追い打ち。
R-1取材メディアから「〝もう次の人生考えてはるんですか?〟って言われた」そうで、周囲から外堀を徐々に埋められた格好。どちらに転んでも新喜劇ファンの年明け最初の話題となりそうだ。
(畑山博史)