農作物被害など近年、社会問題となっている害獣被害の対策として注目されるジビエ料理について理解を深めながら、地域を盛り上げるイベント「がもよんジビエフェス」が、大阪市城東区の蒲生4丁目エリア、通称〝がもよん〟の飲食店で開催されている。2月7日まで。
13店舗が参加し、鉄分が豊富で低カロリーの野生動物の食材を使った和食やエスニックなど特別メニューが味わえる。古民家を再生し地域活性化を図る一般社団法人「がもよんにぎわいプロジェクト」が主催。
同エリアは飲食店同士の結びつき強く、グルメイベント「がもよんばる」などを開催し、地域を盛り上げる取り組みを行ってきた。2018年からは「イベントを通して募金できたら」と、津波で被害を受けた宮城県仙台市や震災や豪雨被害のあった熊本県、石川県能登半島などへ復興支援を行ってきた。今回は同法人の宇田知令さんがテレビの報道番組で、野生動物による農作物への被害が増えている中、駆除した動物が食材として十分に生かされていない現状を知り、企画した。
害獣被害対策や地域の魅力再発見も
イベントでは同エリア近くにあるシアターカフェ「土間シネマ」で2月1日まで、京都大学在籍中に狩猟免許を取って猟師になった千松信也さんのドキュメンタリー映画「僕は猟師になった」を上映し、鳥獣被害対策や地域の取り組みを学べるほか、「がもよん」の歴史や魅力を再発見できる謎解きイベントを同時開催している。また大阪経済大学でまちづくりを学ぶ学生らが、ジビエ料理やがもよんに関する認知度、印象についてアンケートを行い、研究や論文に役立てる活動を行う。
イベントを企画した宇田さんは「多くの人に害獣被害の現状と解決策としてのジビエ料理や食について考える機会にしてほしい。地域の魅力や歴史に触れることで、がもよんエリアの新たな一面を発見してほしい」と意気込んでいる。