晩秋の風物詩 串柿の風景

 和歌山県伊都郡かつらぎ町、「串柿の里」と呼ばれている「かつらぎ町の四郷(しごう)」で、オレンジ色のカーテンのような串柿が11月20日でピークを迎えた。

 この串柿は食用ではなく「正月飾り」となる。鏡餅は主に「餅」「橙」「串柿」となり、餅は「八咫鏡(やたのかがみ)」、橙は「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」、そして串柿は「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」というように三種の神器に見立てられる。

 皮を剥いた柿は、その後1本の細い竹串に5個または10個を刺す。10個の場合は左右の2個と中心の6個を「いつもニコ(2個)ニコ(2個)仲むつ(6つ)まじく、共に白髪の生えるまで」という意味がある。5個の場合は左右の1個と中心の3個を「一人(1個)一人(1個)が皆(3個)幸せに」という意味だ。この串柿には家内安全、健康祈願の願いが込められているという。

 なお、正月飾りの串柿は12月20日以降、関西圏を中心にスーパーやホームセンターなどで販売される。