【2025年 大学入試】新たに“情報”が加わり、6教科に変わる共通テスト 河合塾の富沢本部長が解説


河合塾 教育研究開発本部 本部長 富沢 弘和さん

 現在の高校1年生の受験年となる2025年から、大学入学共通テストが大きく変わる。従来の国語、英語、数学、理科、社会に、新たにプログラミングやデータ活用を学ぶ「情報」(科目は情報Ⅰ)が加わり、6教科8科目制に。今後は国立大の入試に「情報」が必須となる見通しだ。新たな大学入試に向け、どう準備すれば良いのか。河合塾の教育研究開発本部、富沢弘和本部長に話を聞いた。

新たに“情報”が加わり、6教科に変わる共通テスト

 まず、現状の高校の教育課程の状況と、入試での「情報」の扱いについて確認をしておきましょう。現在の高校2年生以上の教育課程では、教科「情報」は、「社会と情報」と「情報の科学」のうち1科目を選択履修することになっています。つまり、高校によっては「社会と情報」、別の高校では「情報の科学」と履修はばらばらです。「情報の科学」はプログラミング、データの活用などが学ぶ内容に含まれています。

 「社会と情報」は、モラルといった情報の扱い方などが内容に含まれます。つまり、2年生以上の高校生は人によって学んでいる内容が異なります。大学は入試科目としては出題しづらいでしょう。

現状で「情報」を出題している大学の数は?

 河合塾の調べでは今年の春の入試では11大学のみです。必須科目としての出題ではありません。ほかの科目との選択であることがほとんどです。また、私学ですと、複数の入試方式のなかのひとつの入試方式で「情報」を出題しています。

 他の入試方式でも受験が可能ですので、必ずしも「情報」を受験する必要はありません。こうした状況をみると、現状の入試で「情報」が出題されている印象は薄いでしょう。


▲大学入試センターが公開している「情報」のサンプル問題

新課程で高校の「情報」は「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」に

 今年の1年生から新しい教育課程(以降、新課程)での学びに変わっています。科目は必履修科目の「情報Ⅰ」と、「情報Ⅰ」の学びを深める「情報Ⅱ」が設定されています。「情報Ⅰ」では、情報を扱う基本的な知識・スキルを身につけつつ、情報技術を適切かつ効果的に活用する力を育む科目です。必履修科目ですので、みんなが同じ内容を学びます。

 共通テストで出題されるのも「情報Ⅰ」です。

国立大学は「情報」を必須にする方向

 今年の1月に国立大学協会(以降、国大協)が、国立大学の一般選抜は「情報」を必須にするという方向性を示しました。最終的には各大学の判断に委ねられますが、国立大学はそれに準ずる形になりそうです。ただし、大学によって、理系学部のみ「情報」を課す、前期日程のみ必須にする、といったケースも出てきそうです。

 一方、私学の場合、共通テスト「情報」は選択科目の1科目として利用する形が基本になるでしょう。また、個別試験で「情報」を出題する大学が大きく増加することは考えづらいです。

受験戦略で「情報」はどういった位置付けに?

 大学がどれくらい共通テストの「情報」に重きをおくか、もしくは大学の個別試験でどれくらい出題してくるのか。それによって状況は変わってきます。

 現在、国立大学の一般選抜の共通テストは5教科7科目が基本です。理系ですと英語、数学2科目、国語、理科2科目、地歴公民1科目を課すのが一般的ですが、大学入試センターの配点をそのまま当てはめると900点満点です。「情報」の配点は現時点では未公表ですが、仮に100点だとすると1000点満点中100点ということになります。

 さらに、国立大学の場合、2次試験がありますので、そう考えると決して「情報」の配点割合は高くはありません。新課程科目の配点を公表している大学はほとんどない状況ですので、大学からの今後の発表に注視する必要はありますが、過度に心配する必要はないでしょう。

 ただし、配点は大学が自由に設定できますので、学部学科によって異なる設定となることが考えられます。

予備校の対応

 どの程度の大学が共通テスト「情報」を課すのか、個別試験での「情報」の出題の状況がどのように変化するのか。現時点では大学の公表が進んでいません。まず、これらの情報をきちんと把握していくことが重要です。

 とはいえ、共通テストの「情報」は、国立大学は課すことが基本になりそうですので、国立大学志望の生徒さんにとっては対策が必要となることは間違いないでしょう。それに対応した講座の設定、模擬試験での出題の準備は進めています。

新しい「情報」は学ぶ内容が広い

 今の2年生以上が学んでいる「社会と情報」と「情報の科学」を合わせた内容になっています。情報のモラル、プログラミング、それとデータの活用方法、情報デザインといった幅広い学びが特徴です。また、これらの学んだ内容をいかに問題解決に活用できるのかという視点も重要です。