プログラミングは、「探究学習」そのもの
「なぜ、小学生からプログラミングをはじめたのか―」イラストや作文と比べると少し難しいイメージがある。弊紙と共同通信社が主催する「全国選抜小学生プラグラミング大会 大阪府大会」に毎年出場し、全国大会へも出場実績のあるプログラミング教室「サニーアカデミー」(旭区)の講師と実際に通う小学生に話を聞いてみた。
本大会は毎年10~11月に大阪大会、翌年3月には東京で全国大会を開催している。プログラミングを通じて、課題のテーマに沿った発想力・表現力・技術力を発表する。
今回、取材したのは同大会に昨年出場し優秀賞を獲得した出雲湊くん(太子橋小5年)で、今年は全国大会への切符となる最優秀賞を狙っている。
出雲くんとプログラミングの出会いは小学2年生だ。父親とよく遊んでいた3Dブロックのものづくりゲーム「マインクラフト」の体験会(同教室)に参加したのがきっかけ。体験会ではただゲームをするのではなく、自分が考えたルートどおりに動くようにプログラムをつくる。「うまくいかなったときは『なぜだろう?』と考えるのが楽しい」と出雲くん。試行錯誤しながらも「できた!」ときの達成感がたまらないという。
同教室の〝サニー先生〟は「出雲くんの吸収力はすばらしい。とにかく人の話をよく聞く」という。出雲くんが、今年度の大会に応募する作品は、キャラに表情を付けたり、背景効果を加えて、「演出とストーリーにこだわりたい」と意気込んでいる。
サニー先生は子どもたちの作品を見て、「その作品の特徴は? 何を伝えたいのか」を掘り起こすのが難しいという。漠然と自分が作りたいものだけでなく、プレゼンをするためには一人一人に「問うこと」が大切と話す。例えば、「なぜ、ワクチンを攻撃するゲームをつくったのか?」出雲くんに話を掘り起こして聞くと、「母親が風邪をひいていて辛そうだったから」と作品づくりのきっかけがわかってくる。ものづくりの目的を明確にして、考えをまとめて表現する。中には、大人顔負けの発想力・表現力にびっくりさせられることがあるという。また、技術において子どもの上達スピードは早く、大学生以上のブラインドタッチができる生徒もいる。
サニー先生は、「プログラミングと聞くと、ハードや技術ばかりに注目されがちですが、本当に学べるものは、文部科学省が推し進めている『探究学習』そのものです」と強調する。出雲くんは教諭からPCを使ったプレゼンが「堂々としている」と評価が高く、5年生にしてクラブ活動の部長を任されるほど。
二人にプレゼンの秘訣を聞くと「できるだけ前を向いて、丁寧に自分の言葉で表現すること」と口を合わせていた。
<取材協力>サニーアカデミー/大阪市旭区高殿4-22-33 京街道ビル2F/電話06(6167)9080