【大阪駅西】JPタワー大阪&イノゲート大阪の魅力に迫る 新しい大阪梅田の顔、いよいよ開業!

大阪駅周辺エリア俯瞰図。それぞれの建物は2階の通路でつながっており、行き来がスムーズ

 旧大阪中央郵便局跡地を含む大阪駅・西地区。このエリアに「KITTE 大阪」「イノゲート大阪」の各施設が7月31日にグランドオープンを迎える(※一部は秋以降の開業)。〝イマドキ〟な働き方や現役世代が求める外食需要にアプローチした今回の開業の全貌を追う。(礒見愛香)

JPタワー大阪 外観イメージ 撮影:伊藤 彰/アイフォト
イノゲート大阪 外観

新しい気づきとつながりを生む

 「JPタワー大阪」は、商業施設、ホテル・劇場・オフィスの複合用途の一体開発により、さまざまなヒト・モノ・コトの「つながりのはじまり」になる拠点として、大阪駅周辺のにぎわい創出と地域の価値向上を目指した施設となっている。

 地下1階から6階の商業施設「KITTE大阪」は、まだ知らない物事との出会い「UNKNOWN(アンノウン)」がコンセプト。「大人のたまり場」がテーマの横丁ゾーン「うめよこ」(地下1階)、物産や観光など日本各地の魅力を発信するアンテナショップフロア「Feel JAPANJourney(ええもん にっぽん めぐり)」(2階)など特徴的なフロアが広がる。

地下1階「うめよこ」ゾーン。女性ひとりでも気軽に入りやすい雰囲気
2階「Feel JAPANJourney(ええもん にっぽん めぐり)」。各店の装飾に地域らしさが出ているのも見どころ

高層階で最上級の「おいしい体験」

 7階宴会場と29階以上に、JR西日本ホテルズとマリオット・インターナショナルによる新ホテル「THE OSAKA STATION HOTEL, AutographCollection」(大阪ステーションホテル、オートグラフ コレクション)がオープン。総支配人には、ホテルグランヴィア大阪の総料理長やホテルグランヴィア京都の総料理長・総支配人を歴任した佐藤伸二さんが着任。昔の駅の改札を模したフロントや、大阪市内を一望できる客室、天下の台所にふさわしい料理の提供など、食を軸に「ここでしか味わえない体験」を提供する。

フロントイメージ

令和の働き方を推進するオフィス

 「JPタワー大阪」の隣にそびえたつのが「イノゲート大阪」。オンライン・オフラインの両方に対応できるハイブリット型の会議室や、短期間利用も可能なフレキシブルオフィスなど、コロナ禍を経て変化し多様化した「オフィスに求められる機能」や「働き方」の全てを受容できるオフィスビルとなっている。

 オフィスは少人数でも利用できる30坪弱から対応可能であり、新進気鋭のスタートアップ企業や外資系企業からも注目されている。
 大阪駅〝直上〟という立地から多様なワーカーが集まることを想定し、積極的にオフィス内外の人の交流が促進できるイベントやセミナーを行い、新たなひらめきとイノベーションが生まれるきっかけを作る。

 ちなみに、緑豊かな「うめきた公園」が一望できるのも特長。この景色は同オフィスのワーカーならではの〝福利厚生〞かもしれない。

ハイブリッド型イベントにも対応できる最新AV設備を備えた会議室

日常に文化とひらめきを

 イノゲート大阪にはアート作品が展示され、大阪駅を行き交う人々が日常的にアートに触れる機会を創出している。このアートプロジェクト「WARP(WEST ART PROJECT)」には、大人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ作者の荒木飛呂彦さん他、複数のクリエーターが参加。JPタワー大阪6階に開業した1289席の大劇場「SKYシアターMBS(今年3月に先行オープン)」の存在も、文化活動を後押しするだろう。

荒木さんは、かつての大阪駅のシンボル「噴水小僧」をモチーフにした作品を制作(=29日の公開セレモニー)

「働く」がもっと楽しくなる街へ

 今回の開業を通じて、〝平日〞を過ごす労働者にとって、大阪梅田が「日常の街」としてバージョンアップしたといえる。

 今の時代に合わせたオフィスや、大阪駅〝直上〞という人の集まりやすさを生かした新しい交流の場、食やアートとの日々の出会いなど、より刺激的で革新的な「働きたい街」としての大阪梅田として、今後の盛り上がりが楽しみだ。

大阪梅田の経済を支える「おっさん」を救え!

腹と心を満たす、オフィスワーカーのサードプレイス登場

昭和レトロな5階フロア

 イノゲート大阪の2階から5階にできた飲食店街「バルチカ03」は〝03(おっさん)の聖地〟として開業。大阪梅田には約24万人が就業しているが、この層の大部分を占める「現役ワーカー(おっさん世代)」が日常利用できる店舗が不足しているという背景から、千円以内で満腹になるランチや、高コスパかつ安価な夜呑みなど「おっさんが本当に求めている店舗」を追求した飲食店を集めた。

 あらゆるシーンで使い分けできるよう、階ごとに異なるコンセプトでテナント展開を行っている。2、3階はどんな層・シーンでも利用しやすい広めの店舗。4階は職場の同僚との宴会や取引先と会食などの「オン飲み」に使いやすい、話題性やこだわりのある〝外れのない〟店。5階はサクッと一人飲みや親しい仲間との「オフ飲み」に適したリラックスできる「行きつけにしたい店」がそろった。

 開発担当の舟本恵さんは、「大阪梅田で働く現役ワーカー(おっさん世代)の腹と心を満たし活力を出してもらうことこそ、大阪梅田の経済圏の活性化につながると確信しています。ひいては、おっさん行きつけの店は〝うまい〟と知っている〝酒好き女子〟も満足できる店舗バリエーションです。ルクアイーレ2階のデッキからスグなのでぜひ」と話している。

5階フロア
手前はイノゲート大阪、奥がJPタワー大阪