昭和の上方笑芸をけん引した演芸場『道頓堀角座』の魅力を令和時代に語り継ごうと、関西演芸協会が「甦(よみがえ)る、昭和演芸」を4月29日(月・祝)午後、ルーツを引き継ぐ心斎橋角座で上演する。協会長の桂福団治(83)は「私も桂小春時代のペケペン落語を演じます。封建的徒弟制度の時代で、今ならセクハラやパワハラになるようなことも多々あった。楽屋ばなしもタップリと」と話し、早くもシリーズ化を視野に。
記者会見には「シンデレラエキスプレス」渡辺裕薫(59)の司会で、同副会長の「漫画トリオ」青芝フック(86)と「ぼん・はやと」若井ぼん(79)が出席。当日は「トリオザミミック」上純一(74)や浪曲漫才トリオ「宮川左近ショー」のDNAを継ぐ「暁トリオ」などが加わる予定。
フックは「古典芸能の落語と異なり、漫才は時代を反映して少し先に行く芸」と説明。ぼんと共に相方は既に亡くなっていることから「漫才はできないけれど、写真などを見ながら昔のことを振り返ったら喜んでくれる方も多い。僕らの役割はまだ手探りですが存在感を発揮できれば」と意欲。ぼんも「当時の角座はお笑いの劇場として日本一の入りだった。僕は最近ではレゲエ歌手でやっていますが、この日の舞台では歌を封印し、ユニークだった当時の芸人さんの楽屋話を披露したい」と説明。
渡辺は「僕らでも知らん話しばかり。将来的には東京の漫才協会と交流連携して、ネット配信では話せない昭和の芸人さんたちの際どい素顔を後世に伝え継いでいきたい」と話している。
(畑山博史)