官民連携で不登校支援
不登校支援事業に取り組んでいる大阪市西区は、堀江中学校をモデル校に校内サポートルーム(学校内適応指導教室)を設置し、昨年11月から試験運用を始めており、今年4月から本格的にスタートさせる。
この取り組みは、学校・区役所・民間企業・地域団体が協働して進める。従事するスタッフは元学校関係者が多く、学習サポ―トのほか、不登校支援として心のケアなど福祉的な支援も加わる。
福祉的な支援は、障がい児や不登校児支援に取り組んでいる一般社団法人「こもれび」(西区南堀江3)に運営を依頼。専門スタッフや生徒と年齢の近いスタッフらがサポートを行う。
同校の横田勝一郎校長は、「学校でルールを伝え守ることは必要です。ただ一方で、ルールに強い違和感を覚え、学校に来られない子どもには、制約の少ない場所を作ってあげることが今後の教育には求められているのではないでしょうか」と提言している。
同区の不登校支援事業は、サポートルームの運営を通じた「子どもの居場所づくり」のほか、保護者同士のつながり作り、地域住民への認知などにも尽力する。3月23日には堀江中学校で講演会を実施した。
同事業の運営費やサポートルームの備品は、地元企業である三同建設(西区千代崎2)が寄付・寄贈し、3月4日には市長から感謝状の贈呈が行われた。同社代表取締役の細川恵吾さんは「2022年に50周年を迎え、この節目に、地域に何か恩返ししたいという思いがあり今回協力させていただきました。苦しんでいる子どもの力になれたら幸いです」と笑顔を見せていた。
三村浩也西区長は「不登校のお子さんは増え続けています。状況をこのまま放置してしまうと、将来その子たちが社会に出る段階で大きな課題となるでしょう。社会で自分らしく活躍して地域に還元できる子を育てるために、また保護者を孤立化させないように、区が各所と連携してこの課題に取り組んでいきたいです」と意気込んでいる。