国指定重要文化財である平安神宮では創建130年を記念し、年末年始の節目に特別な夜間参拝イベント「NAKEDヨルマイリ 平安神宮」を開催している。
期間は正月を挟んで、12月19~30日と翌年1月6〜18日の前後半制。
今回のナイトタイムの参拝では、例年のプロジェクションマッピングの華やかさと平安神宮の厳かさに加えて、ストーリーに重きを置いた演出になっている。
平安神宮は、平安遷都1100年を記念して1895年に創建された、京都の歴史と文化を象徴する神社で、京都の地を守護すると伝えられる四神ー東の青龍、西の白虎、南の朱雀、北の玄武ーの思想が深く関わっており、京都全体の安寧と繁栄を祈る聖域としての意味を持っている。

こうした背景を踏まえると、単にライトアップやプロジェクションマッピングを目で楽しむだけでなく、会場の要所に配置された音声ガイドにも耳を傾けながら観覧することで、演出の意図や物語性をより深く味わうことができる。
また、来場時には「Nakedディスタンス提灯®」を1つレンタルするのも一案だ。提灯を手に巡ることで、光の演出との一体感が高まり、より没入感のある体験につながる。


ディスタンス提灯をゲットしたら、まず最初に手水舎白虎(てんずしゃびゃっこ)へ。そこでプロローグとして語りかけるイントロダクションを聞くことで光が宿り、四神の物語へと導かれる。

重要文化財大極殿(だいごくでん)から中神苑(ちゅうしんえん)、そして東神苑(ひがししんえん)と庭園内を巡って最後に手水舎蒼龍(てんずしゃそうりゅう)に辿り着き、エピローグを聞いてストーリーが完成する。





今回の夜間参拝は、単なるライトアップではなく、「祈り」をテーマにした新しい形の文化体験として、訪れる人々がそれぞれの形で夜の神社の時間を過ごせる場となっている。
約1年半ぶりにお披露目される塗替工事を終えた大極殿は、鮮やかな朱色の社殿や碧瓦(へきが)の屋根、そして両端に輝く金色の鴟尾(しび)が見どころ。大極殿の前にはディスタンス提灯を設置すると光の演出が現れる仕掛けがあり、かざした提灯の色に沿った四神の光が大極殿を染めるインタラクティブアートになっている。


また内裏(だいり)で夜の参拝をする際の厳かな空気感は特別。
中神苑と東神苑では、特別企画として、平安神宮の歴史や「四神相応(しじんそうおう)」の伝説を学べるクイズ形式の光るスタンプラリーが実施されている。

四カ所に設置されたスポットでクイズに答えて光るスタンプを押すが、スタンプのインクが特殊なものを使用しているので押しても何も見えないようになっている。しかし4つのスタンプを集めて東神苑泰平閣(たいへいかく)の中ほどにある特製のボックスの中に差し入れるとスタンプが浮かびあがり見ることができる仕掛けだ。
東神苑内では、これまで同様に見事なプロジェクションマッピングが展開されていて、尚美館(しょうびかん)に投影される映像の美しさや、水面に映し出される東神苑の樹木や泰平閣の姿が闇夜に浮かび上がった夜の美しさを楽しめる。



中神苑では、中神苑地主社へ行くことができ、大地主大神をお祀りする地主社と鬼門鎮守と除災招福の神徳があるとされる北の守護・玄武が登場する。


京都市在住、または京都市内の学校に在籍する学生を対象に、子どもは無料で入場できるほか、大人は各種チケットが500円引きとなる割り引きを実施。あわせて、平安神宮会館の料理などと組み合わせたコラボレーションチケットも用意する。
開催時間は午後5時半から午後9時半まで(最終入場は午後8時50分)。料金は中学生以上が2000円から、小学生は1200円からとなっている。
